懸賞やプレゼントのキャンペーンは、一般の消費者にとっても人気が高いイベントの1つだ。しかし、消費者の動向とキャンペーンを実施する企業の間には、少なからず認識のギャップがあるようだ。ネオマーケティングが公表した「プレゼントキャンペーンに関する調査」を元に、その実情を見てみよう。
同調査は同社が、プレゼント・キャンペーンに応募したことがある男女400人(消費者)と、20歳から59歳の販促・ノベルティ担当者またはキャンペーン活動に関与することがある男女400人(企業)を対象として、2015年11月11日と12日の両日にWebアンケートで実施したもの。
まずは、消費者がキャンペーンに応募した方法を見てみよう。
最も多かったのはWebサイトからのエントリーで、91.0%に上る。半面、ハガキや電話といったアナログ的な方法は大きく減少しており、キャンペーンへの応募方法でもデジタル化が進んでいると同社は見る。
これまで応募したキャンペーンに関する情報の入手方法ではメールマガジンが59.8%と最多であり、キャンペーン情報サイト(36.0%)やインターネット広告(30.5%)といったインターネットを通じた方法も多く、応募方法と同様にアナログからデジタルへと移行しつつあるようだ。なお、店頭の告知物や企業・店頭のホームページの利用度は低い傾向にある。
当選人数と金額の種類別に、どのキャンペーンに応募したいかを尋ねてみると、最も多いのは「500名に1,000円分当たる」(81.5%)であり、以下「100名に5,000円分当たる」(67.8%)、「200名に2,500円分当たる」(63.0%)が続く。キャンペーンの応募者は、当選者は少ないが金額は大きいキャンペーンよりも、金額は少なくても当選確率が高いキャンペーンを好むようだ。
キャンペーンで欲しいと思う賞品では、商品券やデジタル・ギフトなどの金券が98.0%と圧倒的多数に上った。以下、家電機器(60.8%)、お菓子(39.5%)、生活用品(38.3%)が続く。使い途が決まっている賞品よりも、好きな物を購入できる金券の支持が高いと同社は分析している。
賞品では金券の人気が最も高いという結果となったが、ではどの種類の金券が好まれるのだろうか。
最多はJCBギフトの61.0%で、Amazonギフト券も60.5%とほぼ横並びだ。また、QUOカード(53.3%)や図書カード(50.5%)と50%を超えている。比較的新しい金券と言えるiTunesカードやGoogle Playギフトを挙げる声は、まだ少数派だ。
今度は、キャンペーンを実施する企業の状況を見てみよう。
キャンペーンの募集方法を見ると(図1参照)、最も多いのはWebサイトからのエントリーの59.5%であり、消費者の応募方法でも最多だった。半面、消費者の利用度が低かった電話での応募を挙げた企業は、13.8%とやや多い。
企業がキャンペーン情報を消費者に伝える方法(図2参照)ではメールマガジンが43.0%と最多で、消費者が挙げる応募方法でも最多だった。一方で、消費者が多く利用しているキャンペーン情報サイトやインターネット広告を挙げる企業は2割前後だった。
これまでキャンペーンで提供した賞品を尋ねると(図4参照)金券が37.5%と最多であり、消費者が欲しいと思う賞品でも最多だった。消費者の希望では2番目に多かった家電機器を挙げた企業は16.3%に過ぎない。
賞品として金券を希望する消費者が多いが、企業の認知度はどうだろうか(図5参照)。キャンペーンの賞品として利用できることを知らない金券の種別で、最も多かったのは28.5%の企業が挙げたAmazonギフトだった。消費者が希望する賞品では2番目に多い(図1参照)にも関わらず、企業側の認知度は低い。
このように、消費者の実際の応募行動やプレゼントへの希望とキャンペーンを実施する企業との間には、少なからず認識に違いがあるのが実情だ。今回の調査結果から、キャンペーンを成功させるためには消費者の動向を踏まえた上で情報の伝達手段や賞品を選択することも忘れてはならない要因だと言える。