日立パワーソリューションズとトライエンジニアリングは11月25日、接合品質に優れた摩擦攪拌接合(FWS)を行うロボットを共同開発したと発表した。

FWSは、円柱状の接合ツールを回転させて発生する摩擦熱を利用し被接合材料を軟化させ、かき混ぜることで接合する技術。材料を溶かさず固相接合を行なうため、接合強度が高く接合変形や内部欠陥が極めて少ない接合が可能となっている。

同ロボットでは、日立パワーソリューションズが開発したトルク制御技術を用いることで、接合ツールの被接合材に対する挿入深さを一定に保つことにより、高い接合品質を実現。また、6軸多関節ロボットを採用し、トライエンジニアリングのロボット制御技術と組み合わせることで、複雑な曲面においてもFSWによる接合が可能な汎用性の高いシステムとなっている。同システムは、自動車生産工場などの自動生産ラインで多く使用されている200kg可搬クラスロボットでの構築が可能なため、複数台のインライン化による作業時間の短縮に寄与。また、既存ラインへの適用も可能なため、保守用の予備部品の共通使用も可能となる。

ロボットFSWの外観

両社は今後、自動車関連メーカーやアルミ製品メーカーなどの自動生産ラインへの導入を目指すとしている。