日本マイクロソフトは11月19日、開発者向けの年次イベント「Connect();」において、新たな開発ツールの提供と既存ツールのアップデートを発表した。
新たに提供するVisual Studio Dev Essentialsは、開発者向けのマイクロソフトのサービス、ツール、リソースにアクセスしやすくする機能、アプリ開発用の機能を搭載して、無料で提供する。
具体的には、Visual Studio CommunityやVisual Studio Codeへのアクセス、Visual Studio Team Services、2016年初めに提供されるAzureの月額25ドルのクレジットなどを提供する。マイクロソフトは新ツールについて「あらゆる開発者が自分の好むテクノロジを使い、どんなデバイス上、どんなOS上でも、アプリケーションを構築するために必要な全機能を提供できるようになっている」と説明している。
一方のVisual Studioクラウドサブスクリプションは、Visual Studio Marketplaceを通じて、Visual Studio ProfessionalとVisual Studio Enterpriseを月額料金または年額料金で利用できる。Visual Studio Marketplaceは、開発者自身でマイクロソフトの開発プラットフォームを拡張するためのコンポーネントを検索し、インストールできる場となっている。
また、Microsoft Graphは、1つの承認トークンによってマイクロソフトクラウド内にあるデータや情報、APIに対して一貫性のあるアクセス方法を提供する。Microsoft Graphを通じて、マイクロソフトクラウドの機能を全面的に活用して、企業とエンドユーザーを支援する。HTTPリクエストを行える開発者であれば、どのプラットフォームからでもAPIを利用できる。
パブリックプレビュー版として提供されるAzure Service Fabricは、Microsoft AzureおよびVisual Studioと完全に統合できる規模のマイクロサービスベースのアプリケーションを、開発者が容易に構築し、運用できるようになる。パブリックプレビュー版は、Windows Server上での.NETの開発のサポートを提供し、Linuxのサポートは2016年に行われる。
Visual Studio Codeのベータ版は、Linux、OS X、Windows上で稼働するVisual Studioファミリーの一部となる。すでにプレビュー版が100万件以上ダウンロードされており、この新たなベータ版では、追加機能、テーマ、言語サポートのために新しい機能拡張モデルが採用した。
Linux、Windows、Mac OS X向けの.NET Core 5とASP.NET 5のリリース候補版(RC)となり、複数のOS向けの.NET Core実装により、開発者は本番環境で使用を始めることができる。Visual Studio Online Servicesをさらに機能強化したVisual Studio Team Servicesは、自社独自の拡張に加えて、新しいVisual Studio Marketplaceで提供されるパートナーによる拡張機能を利用できる。
また、Windows、Android、iOSのモバイル開発向けにDevOpsソリューションを拡張している。これにはiOSとAndroid向けのクロスプラットフォームビルド機能を備えたモバイルアプリケーションのクラウド版ビルドのホスト機能が含まれている。マイクロソフトのDevOpsソリューションへのHockeyAppの追加により、DevOpsのサイクルにおけるモバイルアプリのベータテスト、ユーザーフィードバック、クラッシュ分析が可能となる。