米Googleは11月18日(現地時間)、モバイルアプリからの情報をGoogle検索で提供する機能を強化するアップデートを行った。ユーザーが端末にインストールしていないアプリが扱う情報も検索結果に表示し、ストリーミングによってアプリの機能を利用できるようにする。
スマートフォンやタブレットではアプリからオンラインサービスを利用するユーザーが多く、Webの情報をインデックス化してきたGoogleにとってアプリ内の情報を検索の対象にすることが大きな課題になっている。同社は2013年末にいくつかのパートナーと共にアプリのコンテンツのインデックス化を開始し、現在は1000億を超えるディープリンクを実現している。対象には、Facebook、Instagram、Airbnb、Pinterestといった人気アプリが揃っている。しかしながら、Google検索でアプリ内の情報を活用できるのは、ユーザーが端末にアプリをインストールしているか、またはアプリのベンダーがWeb版を用意している場合に限られる。今日ではモバイルアプリのみで提供されているオンラインサービスも多く、Google検索の新しい機能はそうしたアプリとGoogle検索ユーザーを結びつける試みである。
現在アプリのストリーミング機能は、ホテル検索・予約アプリの「HotelTonight」、アウトドア情報の「Chimani」、星占い「Daily Horoscope」、ニューヨークの地下鉄マップ「New York MTA Subway Map」など、少数のパートナーによってサポートされている。たとえば、サンフランシスコを旅行する際にホテルを検索すると、結果にHotelTonightアプリが扱う情報もリストされる。HotelTonightはWeb版を持たないため、同サービスを通じてホテルを予約するにはアプリをインストールしなければならなかったが、Google検索の結果にはHotelTonightの情報に「Stream」マークがついている。タップするとストリーミング版アプリのローディングが始まり、そのまま予約を完了できる。ストリーム版のアプリの使い心地が良ければ、ワンタップでアプリをインストールすることも可能。
アプリのストリーミングは、まだ「実験的な提供」の段階であり、利用もユーザーが良好なWi-Fiネットワークに接続している時に限られる。ベータから正式版へと成長できるかは分からないが、ストリーミングに限らず、Googleは今後、"アプリ・ファースト"なコンテンツをGoogle検索で提供する方法を強化していくとしている。