11月18日から20日まで開催されている組み込みシステム技術展「Embedded Technology 2015(ET 2015)」では、ファブレス半導体企業・ソシオネクストがブースを出展している。ここでは、同社の展示内容から、自動運転・安全運転技術やセキュリティなどのアプリケーションで近年注目されている画像処理関連のソリューションを紹介する。

ソシオネクストのブース

全周囲立体モニタシステムのデモンストレーション

ブースの中でまず目を引くのは、家の模型の下にディスプレイが設置されている展示物だ。これは、全周囲立体モニタシステムと画像認識技術のデモンストレーションで、家の四方に取り付けられたカメラの画像を合成し360度の映像をシームレスに表示している。

同社の全周囲立体モニタシステムは、視点が自由に変えられることや、車両周辺360度の映像を輝度差を感じずにシームレスかつ広範囲に表示できることを特徴とする。一方の画像認識技術は、既存PCシステムに画像認識エンジンを追加するだけで画像認識性能を100倍に向上させ、リアルタイムに100人以上の人物を検出/追跡することが可能になるというもので、監視システムや店舗などの来客動線解析システムなどへ応用できるとしている。

本来は車載システムとして開発された技術だが、同社の担当者によれば住宅にも応用することができ、実際にモデルルームなどで試したこともあるという。

同社の360度全方位監視カメラソリューションは、歪み補正、切り出し、超難解ズーム、パノラマ展開のなどの処理を施し、画像を自由に展開できるほか、IPカメラからNVRまでフル機能をパッケージ化したターンキーソリューションとなっていることが特徴。ブース内に設置されたデモンストレーションでは、箱の中をランダムに走行するフィギュアをカメラで捉え、特定のフィギュアの走行ルートをトラックしたり、異常行動を検知してアラートを発するなどしていた。今後は大人と子供の区別や男女の区別をできるようにするとのことで、年齢制限がある店舗エリアの監視などでの活用が期待できる。

360度全方位監視カメラソリューションのデモンストレーション。コンビニエンスストアを想定した箱のなかをフィギュアがランダムに走り回る(左)。同ソリューションによって、青色のフィギュアの動きをトラックしている(右)。