沖電気工業(OKI)は11月17日、電波到来方向推定技術をITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)に適用し、車両・歩行者位置検出を実現する「次世代ITS路側インフラ無線技術」を開発したと発表した。
同技術は、ETC・DSRC車載器から送信された電波を到来方向推定アンテナモジュールで受信し、アンテナモジュールを構成する各アンテナ素子の経路差から生じる受信信号の遅延量より電波到来の方位を推定するもの。複数の到来波推定装置を使用することでETC・DSRC車載器の位置を特定することができる。
同社はこの技術を用いて車両および歩行者を対象とした測位実験を実施。30m四方のDSRC通信領域内において、ほぼ±1mの位置精度を確保できることを検証した。さらに路側機の設置条件などによっては±0.5m以内の位置精度を確保でき、GPSと同等以上の測位精度を確認できたという。
同社は今後、次世代のITSインフラの検討とサービスの適用検証を進めていき、またその他の電波発信位置を推定するシステムとして、ドローンをはじめとするロボットの操縦者位置探索など、ITS用途以外の多様なニーズにも対応したシステムの提供を行っていくとしている。