ファイア・アイは11月12日、次世代MVXアーキテクチャと、セキュリティ情報提供ツール「FireEye Threat Intelligence Engine」「Forward Deployed Analyst」の2サービスを発表した。

ファイア・アイのMVXアーキテクチャは、サンドボックス型の仮想環境を採用するセキュリティ対策ソリューション。サンドボックスは、外部から侵入した未知の脅威を保護された仮想環境の中で動作させ、その脅威の挙動を解析し、解析から得られた情報を基に的確な駆除を行う。

次世代MVXアーキテクチャでは、侵入した脅威への対応にかかる時間を短縮し、検出精度向上を図った。ファイア・アイによると、従来品と比べ、セキュリティ侵害から保護にかかる時間が3分の1に短縮した一方で、脅威が最も弱い初期段階で検出する能力が従来より5倍に向上したという。

また、フロントライン・インテリジェンスの自動化機能も搭載した。インテリジェンスドリブンの検出フレームワークは、同社の「FireEye Threat Intelligence(DTI)」機能と連携して、新たな検出モジュールの早期リリース・調整が可能になった。

ほかに、新種マルウェアへの対応も強化しており、多数のセンサーからなる同社ネットワークの能力や、インシデント・レスポンスから得られたインテリジェンス、ファイア・アイの脅威研究と、機械学習やビッグデータの分析機能などを活用して対処する。顧客は脅威アクターのツール、手法、手順(TTP:Tools, Techniques and Procedures)の変化に迅速・正確に対応できる。

これ以外にもMVXエンジン・アーキテクチャは、社内のネットワーク環境で利用しているAndroid/iOSデバイスの感染によるコールバックの検出と防御も可能となっている。

ファイア・アイは同時に、セキュリティ情報提供ツール「FireEye Threat Intelligence Engine」も発表している。これは、脅威情報を検知・処理・分析したセキュリティデータを顧客に提供するもので、今後の同社の脅威対策製品・サービスの基盤になるという。これにより、導入企業は脅威情報が管理・利用しやすくなる。

このFireEye Threat Intelligence Engineの提供に合わせて、「Forward Deployed Analyst」という、同社のアナリスト経由で情報提供を受ける個別対応型のサービスもスタートする。アナリストはサイバー脅威をコンテキスト化し、ソースデータをファイア・アイの脅威情報と相互に関連付け、戦術・運用・戦略に関する知見を顧客に提供する。