50代と60代の男女は介護予防を心がけ、健康向上を手段として「生活を充実させ、楽しみたい」という気持ちが強い実態が、博報堂 新しい大人文化研究所が11月12日に発表した調査レポートで分かった。

「健康を維持して今の暮らしを保ちたい」に対する考え方

同調査は、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県に在住および首都圏/熊本市と岡山市以外の政令指定都市/岩手県・宮城県・福島県を除く中小都市に在住する40代から60代の男女を対象に2015年3月に実施したもの。回答者数は2,700人。

「健康を維持して今の暮らしを保ちたい」と思う回答者は全体の91.1%を占め、40代では87.3%、50代では90.5%、60代では95.6%と、年齢が高いほどその気持ちは強くなっている。男女別に見ると、男性に比べ女性が高い傾向にある。

「健康を向上させて生活を充実させたい・楽しみたい」に対する考え方

「健康を向上させて、生活をさらに充実させたい・楽しみたい」と思う回答者は全体で82.1%であり、年代別に大きな差は無い。ただし、男女別では男性が70%台、女性が80%台で、男性に比べ女性の欲求が高いとの結果になった。

要介護家族の有無

要介護家族のいる割合は、40代では10.4%だが、50代と60代では20%を超え、介護家族を抱えるのは50代からだと同研究所は見る。さらに、自分が介護に携わっている割合は60代の女性で9.8%、50代では12.2%と、同年代の男性の倍近くに上る。

家族の介護による負担感

要介護家族がいる回答者に負担感を尋ねると、家族の介護の5大負担(精神的負担、時間的拘束、肉体的負担、金銭的負担、情報の不足)のうち、最も大きいのは精神的負担の73.6%であり、40代・50代が78%台だった。精神的な負担が最も大きいという調査結果は、介護保険制度が開始した2000年から変わらない傾向だと同研究所はいう。

自分自身の介護予防策

60代が日頃介護予防として心掛けていること・実行していることを見たところ、「定期健診」が50.3%と最多であり、以下「適度な運動」(48.1%)、「散歩など」(45.6%)が続く。さらに、「手先や指を動かす」(35.2%)、「新聞や本を読んで頭を使う」(33.8%)と続き、認知症を意識している結果だと同研究所は見る。60代の83.2%が何らかの具体的な取組みをしており、介護予防策を実践していると同研究所は指摘する。