2014年度のクレジットカード・ショッピング市場規模(クレジットカード・ショッピング取扱高ベース)は前年度比9.6%増の約46兆円であり、2020年度には約75兆円へと拡大する見込みだ。矢野経済研究所が11月11日に発表した「クレジットカードショッピング市場に関する調査結果2015」による。

クレジットカード・ショッピング市場規模の推移と予測

2014年の市場規模がプラス成長となった背景には、カード会社各社によるクレジットカードの稼働率向上への取組みに加え、EC市場の拡大によるクレジットカードの利用領域拡大や、公共料金分野及び学費や家賃の支払、冠婚葬祭などの生活関連分野での利用機会の拡がりがあったという。

2013年以降、スマートデバイスを決済端末として活用する決済ソリューションが普及拡大しており、従来はクレジットカード決済サービスを導入できなかった小規模事業者に加え、飲食店チェーンやレストランでのテーブル決済を含め、個人事業主や個人でも導入が増えているとのこと。また、決済ソリューション提供事業者は2014年以降、相次いでIC化に対応した決済端末の提供を開始しており、加盟店も安価で簡単にIC化対応を進めていくことが可能になるため、IC化推進の機運が高まると同社は見ている。

今後の市場規模推移については、2020年の東京オリンピック開催に向けて訪日外国人観光客への利便性向上のためにキャッシュレス化推進の機運が高まることや、FinTech(フィンテック)関連のスタートアップ企業による新しい決済ソリューションの提供により、クレジットカード・ショッピング取扱高は拡大基調を維持していくという。加えて、生活関連分野におけるクレジットカード決済の導入が引き続き拡大すると同社は予測する。