シンガポールに本社を置くPayPal(ペイパル)は11月5日、ヤマダ電機が同社のECサイト「ヤマダ ウェブコム」にPayPalをデジタルウォレット(ID 決済)として導入すると発表した。すでに、利用が開始されている。

「ヤマダ ウェブコム」の決済方法選択

PayPalのアカウントを持ったユーザーであれば、ECサイト上で住所や電話番号、クレジットカード番号を入力することなく、PayPalのIDとパスワードを使って決済処理ができる。

クレジットカード決済とPayPal決済の違い

PayPal 東京支店 部長の杉江知彦氏

PayPalによれば、PayPalの導入は、大手家電量販店においては国内初となるという。

PayPal 東京支店 部長の杉江知彦氏によれば、グローバルでPayPalのアクティブアカウントは1.7億(国内は100万)あり、1日あたりの決済件数は1250万件にのぼるという。また、このうち30%以上がモバイル決済だという。

グローバルでのPayPalの利用状況

ただ、ECサイトでは、ユーザーがネットショッピング時に、買い物カゴには商品を入れるものの、購入を完了しないまま離脱する「カゴ落ち」が課題となっており、BI Intelligence “Shopping Cart Abandonment Study ? March 2015によれば、「カゴ落ち」は2013年には71%へと増加しており、理由として「送料が最後まで分からなかった」「会員登録が必要だったから」「セキュリティ」「購入フローが複雑」「ただ見ていただけ」などが挙げられるという。

「カゴ落ち」の割合(出典:BI Intelligence "Shopping Cart Abandonment Study ? March 2015"

杉江氏は、このうち、「会員登録が必要だったから」「セキュリティ」「購入フローが複雑」に関しては、PayPalを利用することで解決できると語り、「カゴ落ち」に対するデジタルウォレットの有用性を強調。

その上で、「国内では、海外でものを買う人、IT系デジタルサービスをよく使う人がPayPalを利用しており、家電量販店には相性がいい。最近は越境ECも増えており、今後はデジタルウォレットが主流になる。そのためには、(デジタルウォレットの)いろいろなプレーヤーが活躍してもらったほうがいい」と述べた。

なお、ヤマダ電機では、今回のPayPal導入に合わせ、ペイパルを利用して決済された顧客に買い物金額を抽選で全額キャッシュバックする「総額 150万円!ポイント de 全額キャッシュバックキャンペーン」を11月5日から開始した(一人一回限り、キャッシュバック上限は10,000PT)。