NECは11月4日、無線通信機器や放送機器を生産するNECネットワークプロダクツの本社工場(所在地:福島県福島市)において、IoT(Internet of Things)を活用した実証実験を10月から開始したと発表した。

NECプラットフォームズでホームルータや組込み機器などを生産する掛川事業所においても、IoTを活用した実証実験を今年度中に開始する。

今回の実証実験では、経営者・工場管理者・現場の各階層でのタイムリーかつ適切な意思決定を支援するため、複数工場の生産ラインにおける品質や稼働状況など人・設備・モノに関する情報のリアルタイムかつ一元的な可視化に取り組む。

また、収集データの分析・活用として、同社の「物体指紋認証技術」を活用し、プリント基板の個体管理を実施。個々のプリント基板の側面をカメラで撮影し、物体指紋を取得・認証することで、バーコードやRFIDタグを貼付することなく容易にトレーサビリティを実現する。

そのほか、人工知能ソフトウェア「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」を活用し、装置組み立てラインのカメラ映像から作業員の異常作業をリアルタイムに自動検出。不良発生リスクをその場で検出・手直しするとともに、作業改善・作業者教育を行うことで、品質向上を実現する。

今回の実証実験の結果を踏まえ、2016年度以降にIoT活用標準システムの構築および各生産拠点への展開を推進することで、生産効率の従来比30%向上を実現し、グローバルでのQCD競争力強化を図るとしている。