博報堂生活総合研究所が11月2日に発表した、首都40km圏・名古屋40km圏・阪神30km圏の20歳から69歳の男女各500人・計1,500人を対象として2015年10月上旬に調査した「生活インデックスレポート・消費動向編・11月」によると、2015年11月の消費意欲指数は対前月比0.7ポイント増の49.6点で横ばいだったが、対前年同月比は2.4ポイント増となり、消費税増税前の2013年11月と同水準だったという。

消費意欲指数の推移

消費意欲指数とは、物を買いたい・サービスを利用したいという欲求が最高に高まった状態を100点とした場合に、対象月の消費意欲を点数化して回答させた数値。

消費意欲の理由を見ると、「景気、増税、物価上昇、円安」といった社会的なネガティブ要因を挙げる回答者は、2014年の141件から2015年は42件と比べて減少した一方、「季節の変わり目の買い物」(2014年の9件から2015年は20件)や「服が欲しい」(2014年の78件から2015年は105件)など、冬支度を理由に消費意欲が高まる人は前年より増加している。消費税増税の影響が薄らいだ分、季節的な出費への意欲が高まったと同社は見ている。

消費意欲指数の点数は消費税増税前の水準に戻ったが、「年末年始のために出費を控える」という声は、2013年は64件、2014年は100件、2015年は99件と、増税の年を境に増加傾向が続いており、一度根付いた節約意識がそのまま残っている様子が伺えるという。

また、「特に買いたいモノ・利用したいサービス」にも節約意識が表れているとのこと。2015年10月と比べ、化粧品・理美容・装飾品といった嗜好品は減少し、食品や飲料などの必需品は増加しており、年末年始の出費に備えて嗜好品の消費から必需品の消費へシフトすると同社は分析する。

性別・年代別に見ると、女性20代の消費意欲が高いという。2015年7月からの5カ月間で6.4ポイント増加しており、ここ3ヵ月は全性別・年代の中でトップの座を維持しているとのこと。

また、「特に買いたいモノ・利用したいサービス」がある人の割合も、性別・年代別で見ると比較的高い数値を継続しているという。具体的な内容としては、衣類、靴・鞄、アクセサリー、化粧品などファッション関連の消費意向が目立つとのこと。おしゃれ意識で消費を牽引してきた女性20代の元気な姿が戻ってきているようだと同社は指摘している。