博報堂のブランディング専門組織となる博報堂ブランドデザインはこのたび、日本古来の伝統的で独自のくらし・文化・商品などを現代にイノベーションし、リブランディングするプロジェクトを発足させ、その第1弾として畳をテーマに活動を開始した。

同プロジェクトでは、畳という日本古来の伝統的なしつらえ・文化を題材とし、未来に繋がる「新しい畳のある暮らし」というイノベーション起点のリブランディングの実現を目指していく。

そのため、建築計画・建築人間工学・建築情報学を専門とする研究を長年行ってきた、早稲田大学理工学術院創造理工学部建築学科渡辺仁史研究室と協同し、畳という日本古来の伝統的な設え・文化を題材とし、渡辺研究室の研究テーマの1つとなる「行動のデザイン」の観点から、未来に繋がる「新しい畳のある暮し」の実現に向け、4月より研究とプロトタイプの製作を行ってきた。

開発コンセプトとしては、畳の歴史を紐解く中で、畳の語源と本質は「たたむ」という所作にあることに着目。「たたむ」という言葉を現代のライフスタイルに合わせて、「季節や時間、その時の気分に応じて、空間をカスタマイズすること」と再定義した。「たたむ」という行動をリノベーションすることで、まったく新しい畳の形や畳のある暮しを提案する。

また、畳の本質となる「たたむ」ことのカスタマイズ性を、インタラクティブな遊具に応用し、遊具として畳をデザイン。「起き畳」と「折り畳」という2タイプの新しい形式の畳を提案すると同時に、畳を五感でより体験するため、畳が人の動きに反応するインタラクティブな音の仕掛けも組み込んだという。

起き畳

起き畳の図解

折り畳