東京都・六本木の森美術館は、六本木ヒルズ展望台スカイギャラリー(六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内)にて、国際的な建築設計組織フォスター+パートナーズが手がけたプロジェクトを紹介する「フォスター+パートナーズ展 : 都市と建築のイノベーション」を開催する。会期は2016年1月1日~2月14日。開館時間は10:00~22:00。入館料は一般1,800円、高校・大学生1,200円、4歳~中学生600円、65歳以上1,500円。
同展は、建築家ノーマン・フォスターによって1967年に設立された、フォスター+(アンド)パートナーズを代表するおよそ50のプロジェクトを模型、映像、CG、家具、プロダクト、図面、スケッチなどの資料を通して、その半世紀に及ぶ設計活動を総合的に紹介するもの。フォスター+パートナーズは、世界45カ国で300のプロジェクトを遂行、日本の国宝建築に相当する英国保護登録建築物最上級グレード1の指定等の実績を誇る国際的な建築設計組織。
フォスター+パートナーズは、ガーキン(ピクルスにするキュウリ)の愛称でロンドン市民に親しまれている《スイス・リ本社ビル》、東西ドイツ統合の象徴としてベルリン観光のメッカとなった《ドイツ連邦議会新議事堂、ライヒスターク》など、それぞれの都市を訪れたことがある人なら一度は目にしたことがある現代建築史上の名作を生み出しており、同展では最先端技術を駆使しながら、伝統的建造物の歴史的な背景や地域の環境に配慮し、再生する独自のアプローチとメソッドが紹介される。さらに、サスティナブル建築としてのアップル新社屋《アップル・キャンパス2》、月面の砂を素材に3Dプリンターで制作する月面住宅など、近未来の都市と建築を予感させるプロジェクトも紹介される。そのほか、1930年代から地球規模の環境問題の提起と提案を行い、今なお建築家やアーティストに多大な影響を与えている工学者で思想家のリチャード・バックミンスター・フラーとフォスター+パートナーズが、1971年からフラーが亡くなる1983年までの12年間協働したプロジェクトなどがフォスター建築の原点として紹介されるということだ。
また、関連プログラムとして、トークセッション「都市と建築のイノベーション」が開催される。セインズベリーセンター、香港上海銀行などフォスター+パートナーズの初期の代表作を担当し、現在、デザイン部門の指揮を執るデヴィッド・ネルソン、および80年代から「テクノロジーを駆使したサスティナブル建築」という視点で、フォスター建築を読み解いてきた難波和彦により、都市と建築の未来が語られる内容となっている。開催日時は2016年1月17日14:00~16:00。料金は1,000円、要予約。申込は森美術館Webサイトより。また、専門家がそれぞれの視点でフォスター展を紹介するギャラリートークが開催される。開催は全3回。トニー・三木(フォスター+パートナーズ パートナー)による「初期から最新プロジェクトまで(2016年1月16日14:00~15:00)」、今村創平(建築家、千葉工業大学建築都市環境学科准教授)による「フォスターとイギリス現代建築の系譜(2016年1月28日19:00~20:00)」、小見山陽介(建築家)による「フォスター建築にみるバックミンスター・フラーの影響(2016年2月4日19:00~20:00)」。申込不要で参加無料だが、展覧会チケットが必要となる。
そのほか、デザイナーユニット・ひかりうんそうによる構造体をテーマにした子供向けのワークショップ「こどもけんちくワークショップ」が開催される。日用品のストローとゼムクリップをつかって、基本となる正三角すいをつくり、工夫しながら重ねて高い建物を作る内容となっている。開催日時は2016年1月24日10:00~12:30。参加対象者は小学3年生~小学6年生。参加費500円、参加に際しては森美術館Webサイトより予約が必要となる。