サイボウズは10月29日、無料グループウェア「サイボウズLive」のサービスコンセプトを「チームを生み出すグループウェア」に変更し、新たに開発したスマホアプリ「サイボウズLive TIMELINE」を提供していくことを発表した。iOS版は11月上旬に、Android版は12月にリリースされる予定。
サイボウズLiveは2010年の正式リリースから、今年の10月には累計登録ユーザー数が135万人を突破、アクティブユーザーは月に40万人ほどいるという。「仕事以外で便利に使えるグループウェア」というコンセプトでこれまで展開してきたなかで、「コンセプトとサービスのギャップに気がついた」と、同社のサイボウズLive プロダクトマネージャーである大槻幸夫氏は説明した。
「これまでは、すでに組織化されている法人をターゲットとしてきたが、ユーザーにヒアリングした結果、サイボウズLiveを提供したいのはこれからチームをつくる人たちではないかという結論に至った。法人の場合だと、ヒエラルキーが存在する組織構造で、ツールを導入する際は一定の強制力を働かせているが、これからチームをつくっていこうとする人たちの構造はフラットで上下関係がなく、ツールを導入する際は強制力ではなく、共感や納得が必要だ」(大槻氏)
そこで、同社はサービスコンセプトを「チームを生み出すグループウェア」と新たに、従来の法人向けグループウェアとしての機能を刷新し、「サイボウズLive TIMELINE」として提供するに至ったという。
大槻氏によると、チームが生まれるまでには、「つながり」「会話」「チーム形成」といったプロセスがあるという。新アプリには、従来不足していた「会話」の機能を持たせるべく、「タイムライン」機能が搭載。これまでは「グループ」を立ち上げた後に、メンバーとやり取りするためには掲示板で新規トピックを作成しなければならなかったが、今後は「タイムライン」上で、すぐにグループ内のメンバーと連絡を取ることができるようになっている。
従来より搭載している「イベント」「掲示板」「ToDo」「ファイル管理」の機能も新アプリ上で利用できるため、情報は分散させずに、1カ所にまとめることができる。
「チームを生みだすツールには『種類の違う情報の混在』『議論するテーマの混在』『引き継ぎのためノウハウの蓄積』といった課題をクリアする必要がある。チャットツールだと、つながって会話をするところまでで終わってしまうが、サイボウズLive TIMELINEは、チーム形成におけるプロセスの全てをカバーできるようになっている」
同社の青野慶久社長は、「私たちがやりたいことはチームワークの良い社会をつくるということ。とにかくたくさんの人に使ってもらいたいと思い、サイボウズLiveを無料で提供してきた。サイボウズは引き続き、チームワークに貢献していく」と語った。