東芝とソニーは10月28日、東芝の保有する半導体の製造関連施設、設備およびその他の関連資産の一部をソニーに譲渡する旨の意向確認書を締結し、譲渡に関する協議を進めていくことで基本合意したと発表した。
今回の譲渡対象となるのは、東芝の大分工場の300mmウェハ生産ライン(建屋面積は2万4100m2、延べ床面積は4万8800m2)。ソニーは譲渡完了後、ソニーの完全子会社であるソニーセミコンダクタ(SCK)の製造拠点の1つとして、CMOSイメージセンサの製造などに転用する予定だという。また、これまで同ラインが生産していた半導体製品については、譲渡の完了後、東芝からの受託生産という形でSCKが継続して行っていくことを目指し協議を進めていくとしている。
さらに、同譲渡に伴い、同ラインに携わる社員ならびにCMOSイメージセンサの設計などに関わっている社員(東芝ならびにその関係会社も含む)約1100名については、ソニーグループにて雇用が継続されるよう調整を進めていく予定としている。
ソニーは需要が増すCMOSイメージセンサの生産能力拡大に向けた設備投資を継続して行っており、2014年にもルネサス エレクトロニクスが保有していた鶴岡工場(山形県)を買収しており、山形テクノロジーセンターとしてCMOSイメージセンサの生産拠点化を図っている。
なお同譲渡そのものについては、関係当局の必要な承認および認可などを条件として、2015年度中に完了することを目指すとしている。