ガートナー ジャパンは10月27日、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2015年」を発表した。
「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル」は、ユーザー企業のCIO、IT部門のリーダー、テクノロジ・ベンダーのマーケティング、製品開発、戦略企画担当者に向けて、先進テクノロジのポートフォリオを策定する際に考慮すべきトレンドを業種横断的な視点で示したもの。
また、ハイプ・サイクルは2,000を超えるテクノロジを112の分野にグループ化し、市場のハイプ (市場での経験や実証基盤のない過度な宣伝)、成熟度、ビジネス・メリット、今後の方向性に関する分析情報を、企業の戦略/プランニング担当者に提供する。
今年は、同社が近年その重要性を強調している「Nexus of Forces(力の結節:モバイル、ソーシャル、クラウド、インフォメーションという4つの力の強固な結び付き)との関連性と、デジタル・ビジネスの進展への貢献という視点から、36のキーワードを選定し、国内におけるトレンドを示している。
リサーチ部門バイス プレジデント、堀内秀明氏は、同レポートについて、「Nexus of Forcesの構成要素である、モバイル、ソーシャル、クラウド、インフォメーションに注目してみると、モバイル、クラウド、インフォメーション (代表としてビッグ・データ) は、すべて幻滅期に位置している。ソーシャル・メディアは、2014年時点で生産性の安定期に達しているが、企業における利用に関する項目は、幻滅期に位置するものが複数見られる。日本では、モバイル、ソーシャル、クラウド、インフォメーションのビジネス活用がこれから重要になるという理解が広がったが、成功事例以上に、取り組みにおける困難さや想像との違いに直面することが多くなってきているため、多くのキーワードが「過度な期待」のピーク期を越え、幻滅期に達した」とコメントしている。
しかし、自社で採用するテクノロジーやプラクティスを決定していく際、導入の有無で自社が受ける影響の大きさという観点から見ると、モバイルとクラウドは引き続き「革新的」なビジネス貢献を期待でき、今後2~5年で成熟すると考えられ、ビッグ・データも「革新的」なビジネス貢献が期待でき、5~10年で成熟するものと評価しているという。
また、今後ビジネスの拡大にITが貢献していくうえでは、基幹システムのグローバル展開のような成熟しつつある分野と、デジタル・ビジネスのような未成熟な分野を同時に検討し、自社における最適なバランスを見いだしていくことが、CIOを筆頭としたITリーダーに強く求められるとしている。