ネットワンシステムズは11月26日、宮崎大学の学生・教職員約9000人が利用する、教育・研究システム用の共通仮想基盤および南海トラフ地震を想定した遠隔地へのバックアップシステムを構築したと発表した。この環境は今年4月から稼働している。
同大学は、130台以上の仮想サーバが稼働するこの共通仮想基盤に、事前検証済み仮想基盤パッケージ「FlexPod」を採用することによって、従来利用していた仮想基盤と比べて初期投資コストと運用負荷を削減したという。
遠隔バックアップでは、対象データが約70TBという大容量にもかかわらず、差分データの抽出と重複排除を併せて適用することで容量を劇的に削減したとのことだ。
さらに、学生・教職員の利便性を向上するとともにセキュリティの強化を図るため、オンラインストレージを導入。USBメモリなどの外部媒体を極力使わないようにすることで、紛失事故などを防ぐ手段の1つとして有効に利用している。
モバイル端末への対応としては、IEEE 802.11acに対応した無線LANアクセスポイントとそのパフォーマンスを最適化する無線LANコントローラーを採用することで、講義棟無線LANのエリア拡大と高速化を実現している。
そのほか、システムの可用性を高めるため、障害発生時は、物理環境と仮想環境を連携することで迅速にサービスが自動復旧するとともに、サーバメンテナンス時も停止することなくサービスが継続する仕組みを整えている。
主な導入製品は、仮想化ソフト「VMware vSphere」、サーバ「Cisco UCS Bシリーズ ブレードサーバ」、共有ストレージ「NetApp FAS 8000シリーズ」、遠隔バックアップ用ストレージ「NetApp FAS 2500シリーズ」となっている。