現在開催中のイベント「TOKYO DESIGN WEEK」(以下、TDW)内の「コンテナ展」に日蓮宗が出展している。
「コンテナ展」はその名の通り、貨物用コンテナを再利用したスペース内にて各出展者が展示を行うもの。四方を壁で囲まれたブースを独占して活用できるため、映像を駆使したメディアアートやインスタレーションが多い印象がある。InstagramやTOYO TIRESの並びに日蓮宗が展示しているのはなかなか意表を突かれる光景だ。
そして、日蓮宗はコンテナの中に「棺」を展示している。この棺は、仏教の「生老病死」という言葉を元にした展示の「終着点」。展示スタッフの呼び込みに誘われて棺の中に入ると、当然のことながら自分の身がすっぽりと入ってしまった。顔のところの小窓が開けられてスタッフと目が合うと、何とも言えず不思議な気分になったが、ともあれ、生きている時に棺に入る機会というのは大変珍しいことだろう。私以外にも多くの来場者が興味を示していた。ちなみに、生前に棺に入ったからといって寿命に影響はないそうだ。
展示スタッフによれば、日蓮宗がTDWに出展するのは2度目で、6年ほど前にも一度展示を行った実績があるのだとか。この展示のねらいは「死から生をデザインする」ことだという。日頃意識しない「死」を想起することで、これまで、そしてこれからの生き方を再認識し、生き方を「デザイン」してほしいという意味が込められている。
なお、棺の中に入るとちょっとした仕掛けが現れるが、それは行ってみて自身で確かめてみてほしい。TDWの会期は11月3日まで。