「毎日、ポッドキャストを聞いて英語を勉強していますね」――。意識が高いだけのなんちゃってグローバリゼーションを語る大学生の言葉ではない。グローバル企業のトップ層に位置する米Microsoftの日本法人、日本マイクロソフトの社長を務めた樋口 泰行氏の言葉だ。
樋口氏は、3月に社長退任を発表し、7月に平野 拓也氏が社長に就任、自身は代表執行役の会長職へと就任していた。
樋口氏によると、現在は「『人』を中心に働いている」とのこと。国のアジェンダとなっているダイバーシティやテレワークなどのワークスタイル変革への取り組みのほか、外部の講演、社内における人材育成を行っているようだ。
「以前はビジネスでお世話になっているところとお話する機会が多かったのですが、今は『人』を中心にお話する機会が多い。忙しさは変わりませんが、社長の平野がビジネスを上手く動かしていますし、やることは変わっている。
私がやっていることは、『ビジネスをやるだけではダメ』という部分。外資企業だと、日本に来てプロダクトを売って、はい、終わりとなりがちだけど、それではお客さまとのコミュニケーションにつながらない。幸いにも、マイクロソフト製品を使っていない企業さまはほとんどいませんが、(平野氏とは別の領域で)手分けして、やることをやっていく」(樋口氏)
相変わらず忙しいと語る樋口氏だが、社長退任後に変わった生活習慣について尋ねたところ「英語を勉強するようになったんです」と意外な答え。
「朝、ポッドキャストとか聞くだけで、聞こえてくる英語の理解度が結構変わるんですよ(笑)」(樋口氏)
この日、社長在任時に日本への導入、拡販に心血を注いできたSurfaceの新モデル「Surface Pro 4」と「Surface Book」が発表された。発表会では、ストリートアート「POW!WOW! JAPAN」でアートを描くペインターのFRANKIE CIHIさんと一緒にラフな格好で登場した樋口氏。社長の重責から離れても、英語の勉強を欠かさないその姿勢は、見習うべきポイントに違いない。