ルネサス エレクトロニクスは10月21日、スマートメータやHEMS(Home Energy Management System)機器向けに、世界各国の規格などにソフトウェアの変更で柔軟に対応できる電力線通信(PLC:Power Line Communication)用ソリューション「PLCソフトモデムソリューション」を開発したと発表した。

同ソリューションの開発にあたって、PHY層を処理するDSPの動作周波数の高速化したほか、PLC処理向けの専用命令を追加するなどにより性能向上を図った通信用LSI「R9A06G037」を開発。内蔵した低損失レギュレータ(LDO)およびDC/DCコンバータを使い分けることで、電源からのノイズ干渉を低減したほか、内蔵アナログフロントエンド回路(送受信の可変アンプおよびADC/DAC)のダイナミックレンジを広げることで電力線上で発生するノイズ耐性を向上させるなどの工夫を施したという。

また通信用ソフトウェアについても、次世代の世界標準規格である「PRIME1.4」を含むPLC標準プロトコル(PRIME1.3.6/1.4)、およびG3-PLC規格のCENELEC(欧州)、FCC(米国他)、ARIB(日本)などの周波数帯域に向けて、順次、提供が進められる予定で、同LSIを搭載したリファレンスボードにて希望するプロトコルスタックや周波数帯域を選択し、さまざまな評価環境およびテストシナリオを実行することが可能だという。

なお同LSIは、2016年2月よりサンプル価格700円(税別)にて出荷を開始するほか、併せてリファレンスボードの提供も開始する予定だという。

ルネサスのPLC向け「PLCソフトモデムソリューション」として提供される通信用LSI「R9A06G037」およびリファレンスボード