米国時間の10月12日、カリフォルニア州オレンジカウンティで、「Renesas DevCon 2015」が始まった。

会場となるのはHyatt Regency Orange County。2012年も同じ会場で「Renesas DevCon America」が開催されたが、今年はGlobal DevConという位置づけになっている事をREA(Renesas Electronics America)のCEOを務めるAli Sebt氏(Photo02)も強調していた。

Photo01:同ホテルはNorth Tower(写真右奥の茶色いビル)とSouth Tower(写真のさらに左側)の間を巨大な吹き抜け構造(写真中央のガラス張り)で繋いだ構造。会場はその吹き抜け構造に位置するGrand BallroomとNorth Tower/South Towerの1F/2Fを占有するかたちで設けられる。

Photo02:これは初日に開催されたPress向けセッションでのスナップ

ちなみにGlobal DevConという位置づけのため、Global CEOである遠藤隆雄氏以下CFOの柴田英利氏、CSMOの高橋恒雄氏、第一ソリューション事業本部の大村隆司氏、第二ソリューション事業本部の横田善和氏なども全員が参加されているという、なかなか豪華な体制になっている。もっともこのうち実際に基調講演に出てくるのは遠藤氏のみで、メインはAli Sebt氏ということになりそうだ。

ちなみに10月12日は午後に若干のパネルディスカッションがある程度だが、10月13・14日は終日結構な量のセッションが設けられ、10月15日の午前中まで続く。その意味では実質3日間のセッションだが、かなり盛りだくさんであることはスケジュール表(Photo03~06)からも察しがつく。半導体メーカーのPrivate Conferenceとしては割に大規模な部類(Freescale Semiconductorが開催してきたFTFと同規模)に入るが、その割に基調講演にあたるものは火曜に1時間だけ、というのはちょっと珍しいが、その分セッションと展示に力を入れたという感じのスケジュールになっている。

Photo03:初日は6本のパネルディスカッション、それとRTOSに関する簡単なセミナーがあるだけだが、2日目の火曜日はいきなりセッションの嵐である。ちなみにセッションは原則1本1時間で、セッションの間は15分の休憩兼移動時間が用意されるのは、参加する側としてはありがたい

Photo04:3日目の水曜はさらにセッションが増え、最大15セッションが同時開催される

Photo05:水曜の続き。実は筆者個人のスケジュールもこの水曜日が一番クリティカルである

Photo06:最終日はハンズオンラボが半分くらいを占める格好に

参加者は現時点でのPre-Registrationベースの概算で1400名を超えた(Photo07,08)そうで、かなりの人数である。最終的な数字はまだ出ていないが、昨年日本で開催されたRenesas DevCon 2014ですら事前登録で2100名、参加者1700名だった事を考えると、アメリカでこれだけの人数が集まるのはかなりのインパクトに思える。

Photo07:初日夜の会場風景。手前は食事を取る人たちで、その奥に展示エリアが用意される

Photo08:Photo07と逆の位置(展示エリアの奥)から。展示エリアはかなりの混雑だった

今年の発表の大きな部分は「Renesas Synergy」であって、これについては後ほどきちんとレポートするが、展示会場にはRenesas Synergyをベースにした医療システムのデモプラットフォーム(Photo09)や、サードパーティのRenesas Synergy搭載SOMモジュール(Photo10)など、すっかりRenesas Synergyの準備が整ったことを伺わせるものとなっていた。

Photo09:ちょっとわかりにくいかもしれないが、患者を模した人形の腹の上あたりにアームについた棒状のものが見える。実際はこのアームが回転しながら患者の状態をセンシングし、それをBLEを使って手前の機器に送り出し、表示したり制御したりする仕組み。すべての機器はRenesas Synergyで構成され、しかもBLEでのみ接続されているそうだ

Photo10:FDI(Future Designs Inc.)のRenesas Synergy S7搭載SOMモジュール(下側)とRL78搭載モジュール(上側)。「プロトタイプ?」と聞いたら「本日(10月12日)からDigiKeyで買えるよ!」だそうだ

もっとも会場全体で見ると、自動車関連、Renesas Synergy、その他の比率は大体6:3:1といった感じで、主軸は自動車関連となっている。これに関しては、同社がこれまで投入してきたさまざまな要素技術を実車に組み込み、実際に体験できるSkyline Freetというデモが13日以降予定されているので、こちらのレポートもさせていただく予定だ(Photo11)。

Photo11:日産のスカイラインとは無関係。ホテルの駐車場を使い、実際に自動運転車に乗ることができる。とりあえず機能はごらんのとおりてんこ盛りである