ノークリサーチは10月13日、2015年の国内中堅・中小市場における「ERP」の利用実態とユーザー評価に関する調査の分析結果を発表した。
調査対象は、日本全国/全業種の年商500億円未満の中堅・中小企業で、「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」か「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」従業員。調査実施時期は2015年7月、有効回答件数は1300社。
導入済みのERP製品/サービス(複数回答可)の社数シェアを集計し、その結果を前回調査(2014年7月実施分)と今回調査(2015年7月実施分)とで比較したもののうち社数シェア上位8つの製品/サービスを抜粋してプロットした結果、中堅・中小企業のERP市場は安定または停滞していると判断したくなるが、実際にはERPを提供する側が入れ替えや刷新に取り組む余地はまだ十分あると、同社は分析している。
累積の導入社数シェアは同程度であっても、「最近導入したユーザー企業が多い製品/サービス」と「導入年が古く、継続的に利用しているユーザー企業が多い製品/サービス」とでは取るべき戦略に違いがあるとし、シェア上位製品/サービスからのリプレースを図ろうとするERPベンダーや販社/SIerにとっても、ターゲットとなる製品/サービスがどのような状況になっているのかを把握することは極めて重要だと同社は述べている。また、「導入社数シェア」という場合、「累積導入社数シェア」を確認するレベルで済ませてしまいがちだが、実際にはさまざまな観点での現状把握が重要となってくるとし、「年商」「業種」「所在地」などの情報だけでなく、「導入年」による導入社数シェアの変化を見ることが大切だと結論づけている。
さらに、製品/サービスごとの「導入経緯」と、それらにひもづいた「今後の機能ニーズ」の把握も重要になるとしている。