デルは10月13日、2012年にオープンかつ標準化技術に基づくクラウドテクノロジの利用促進を目指し、発足した「Open Standard Cloud Association(OSCA、オスカ)」が「OSCA 2.0」として次世代のITトレンドであるSoftware-Defined XおよびIoT分野への取り組みを開始させたことを発表した。
OSCAは「ハイパースケールデータセンタソリューション」「クラウド運用管理の効率化」「クラウドの相互運用」の3つを柱に6つの技術分科会を構成し、様々な検証結果をホワイトペーパーやリファレンスアーキテクチャなどの技術文書として公開し、当初13であったメンバー組織数も現在では21に拡大している。
OSCA 2.0ではSoftware Defined XやIoTに関わるオープンテクノロジーを注力分野として位置づけ、「ビッグデータ分析」「オープンネットワーキング」「オープンクラウドコンピューティング」における検証・情報発信に取り組む。2015年7月にはOSCAの検証拠点の一つとして、デルの東日本支社内のデルソリューションセンターに「Dell Bigdata/IoTラボ」を開設している。
OSCAの会長であるデル 執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ統括本部長 町田栄作氏は「設立から3年間のOSCA関連におけるビジネスはセミナー、イベントをはじめとしたプロモーションが約73件、OSCA関連のビジネスは年間26パーセントの成長率で推移しており、総案件数は89件だ。特にHadoopとOpenStackが成長を牽引している。クラウドのビジネスがクラウドスタックからOpen Stackにシフトしているということに加え、従来はオープンソースの世界だったが商用ディストリビューションの採用が確実に増えている」と述べた。
OSCA 2.0ではビッグデータ分析としてハイブリッドクラウド、オープンネットワーキング連携といった次世代型クラウド基盤運用設計や、リソーススケジューリング、分散環境モニタリングをはじめとしたハイブリッドIT資源の効率化、ソフトウェアコンテナ技術などのワークロードモビリティ/相互運用を行う。
また、オープンネットワーキングではアーキテクチャ、パフォーマンスを中心とした次世代ネットワークサービス基盤設計や、動的サービス、サーバー運用とのシームレス連携をはじめとする新基盤での運用設計のほか、センサーネットワークとの連携を実施。
さらに、オープンクラウドコンピューティングはリアルタイム性、高度な分析手法およびツールなどを扱う分析から行動までの時間短縮や、人工知能/認知科学を担う複雑で高度な分析に加え、次世代型データストレージ基盤、センサーデータ/ゲートウェイ機能といったデータの多様化と肥大化について取り組む方針だ。