10月5日から7日(太平洋夏時間)にかけての3日間、米カリフォルニア州ロサンゼルスにあるロサンゼルスコンベンションセンターおよびマイクロソフトシアターにおいて、Adobe Systems主催のクリエイティビティ・カンファレンス「Adobe MAX 2015」が開催されている。
本稿では、2日目の「Sneak Peeks」セッションで披露された11の新機能について紹介する。Sneak Peeksは、今後Adobeのツールに搭載される"かもしれない"、現在開発中の技術を先取りで紹介する人気セッションだ。ただし、あくまでも"かもしれない"の段階であるため、実際にリリースされるかどうかはまったく未定だという点に注意していただきたい。
ホストを務めたのはAdobeでCommunications Managerを務めるKimberley Chambers氏。Adobeに務める一方で、"Oceans Seven"と呼ばれる世界の7つの海峡を泳ぎ切るチャレンジに成功した人物でもある。ゲストには俳優のNick Offerman氏が呼ばれた。俳優である傍ら、カヌーボート等を制作する木工職人としての顔も持つことでも知られているという。
2Dの写真を3Dモデルに -「3D Portraits」
最初に登場したのは、2Dの顔写真からほぼ自動で3Dモデルを作成する「3D Portraits」。2D画像を読み込ませて、目や口、肩のライン、髪の毛の範囲などといったパーツの位置を指定すれば、あとは自動で3Dモデルを構築してくれる。作成した3Dモデルは、Photoshopで元の画像に自動マッピングすることができる。
画像を使って画像を検索 -「Louper」
「Louper」は、指定した画像と似た画像を探す検索機能だ。ローカルのファイルだけでなくBehanceから探すこともできる。特徴的なのは、検索条件として複数のイメージを指定できる点で、その場合は指定した画像を合成したものと似た画像を検索してくれる。言葉では表現できないような条件で画像を探したい場合に便利な機能だ。
意図しない写り込みを自動検出 - Defusing Photobombs
意図せず写真に写り込んでしまった邪魔な対象物を消去する"コンテンツに応じた除去機能"はすでにPhotoshopに搭載されているが、「Defusing Photobombs」はこの"邪魔な物"を自動で検出して除去してくれる機能だ。
あらかじめ多数のサンプル画像から機械学習によって"邪魔な物"と判断されやすいパターンを抽出しており、それを元にして除去する対象を特定しているという。どの程度まで除去するのかは、閾値によって調整できるようになっているとのことだ。
"見た目"でフォントを検索 - DeepFont
「DeepFont」は、Photoshopにおいてフォントを検索する際に、フォント名ではなく画像を条件に指定して探すことができる機能である。気に入った形のフォントを見つけた場合、この機能を利用すれば、フォント名を知らなくても似たものを探せるというメリットがある。
Photoshop用の拡張機能だけでなく、iOS用のアプリも開発中だという。このアプリでは、カメラで文字をキャプチャすると、それと似たフォントを探してくれる。街中で見つけた文字と似たフォントをデザインに使いたい場合などに便利だ。現時点で7500個のフォントを認識するとのことだ。
タッチ操作でアニメーション制作 - Project Maestro
「Project Maestro」は、タッチ操作でアニメーションのモーションパスを作ったり、イメージングの調整を行うアプリである。直感的に操作できるため、頭の中のイメージを素直にアニメーションに反映させられるとのこと。作ったアニメーションはAfter Effectsで読み込んでより詳細に修正することができる。