IDC Japanは10月6日、国内テレワーク関連ソフトウェア市場を調査し、2014年の同市場の分析と2015年~2019年の予測を発表した。
IDCでは、通常の執務場所以外の場所でICTを利用して業務を遂行する「モバイルワーカー」を、働き方/働く時間の長さなどによって、3つの大分類と7つの中分類にグローバルに定義して調査し、モバイルワーカー全体の中で、収入を伴う仕事をしており、仕事をするオフィスを持ち、かつ外出先や自宅などオフィス外で就業時間の20%以上の業務を行う「テレワーカー」の人口は、2014年末に1,080万人、前年比18.7%減になったと推定している。
上記の定義にて、IDCでは、最新の国内ICT市場定義のうち、テレワークに関連するソフトウェア市場から17種類の市場を抽出し、本市場の2014年の推定と2015年~2019年の予測をまとめた。
また、同時に行った企業ユーザー調査では、従業員10人以上の国内ユーザー企業754社を対象として、企業のテレワーク実施状況、テレワークの促進要因/阻害要因などについて調査を行い、607社から有効な回答を得た。この結果、2014年の同調査と比較し、外勤者向けモバイルワーク実施企業が28.9ポイント、在宅勤務では22.9ポイント、それぞれ減少したことが判明した。
IDCでは、国内モバイルワーカー人口は前年比でほぼ横ばいだったが、テレワーカーは外勤/在宅勤務などへの企業の対象従業員の厳格化などによって減少し、一定数のテレワーク人口(就業時間の20%以上の業務をオフィス外で定常的に行う人口)がモバイルワーク(就業時間の20%未満の業務時間)に移動した、すなわち「テレワーク待機人口」が増加したと考察している。
上記のユーザー調査結果、モバイルワーカー/テレワーカー人口の推移、および最新の統計/経済状況と独自の取材に基づく調査をもとに、IDCでは2014年のテレワーク関連ソフトウェア市場規模は、前年比9.8%減の1,663億600万円であったと推定している。
2015年以降の同市場は、「テレワーク待機人口」に移動したモバイルワーカーが、ワークスタイル変革や企業の労働力強化によって緩やかにテレワーカーに回帰すると予測しており、この結果2014年~2019年の年間平均成長率は7.4%で推移し、2019年には2,378億5,100万円に到達、2014年10月の前回予測と比較し、約1年遅れた市場成長になると予測している。
「ベンダーおよびシステムインテグレーターは、テレワーク/モバイルワーク実施企業に対するクラウド型テレワークソリューションの訴求拡大、自社テレワーク実施によるコンサルティングナレッジ強化およびテレワークシステムでのセキュリティソリューションの提案が重要である」とIDC Japan ソフトウェア&セキュリティ グループマネージャーの眞鍋敬氏は分析している。