アドビ システムズは、同社のコーポレート・コミュニケーションブログ「Adobe Japan Corporate Communications Blog」にて、Adobe Analyticsの「分析ワークスペース(β版)」を「Analysis Workspace」と名を改め、正式公開したことを明らかにした。
「Analysis Workspace」は、 分析に関しての専門知識を持たない企業のマーケターなどのユーザーにもデータの高度な分析を可能にし、企業のデータに基づくマーケティング活動をサポートするAdobe Analyticsの新機能。Photoshopから着想を得たシンプルなワークフローにより、加工した画像を初心者がCreative Cloudの編集ツール「Aviary」で微調整するのと同じような方法で、データサイエンティストはワークスペースをマーケターや他のチームに提供し、インサイトを掘り下げることを可能にするもの。同機能により、データサイエンティストは分析におけるクリエイティビティを発揮し、社内の特定のグループのニーズに応じてキュレーションされた分析の結果として、何千ものデータポイントを単一の「レイヤー」に絞り込むことができるという。
また、マーケターが収益と受注の傾向を見たり各活動の収益分析を行う場合にも、同機能が具体的なデータを明らかにし、業績の向上をサポートするという。これにより企業は、膨大な量のディメンションと指標を生み出しがちな分析ツールの複雑さから解放されるということだ。例えば、米国のオンラインコンテンツ企業である「POPSUGAR」は、同機能のβ版を用いて消費者の欲求に応じるためにデータを活用。女性向けにライフスタイルを発信するリーディングカンパニーとして同社のWebサイトに記事を掲載したり、eコマースのプラットフォームである「ShopStyle.com」でファッション関連のオンラインショップを運営したりしている。その一方で、P&G、ユニリーバ、レブロン、ニーマン・マーカス、メイシーズといったブランドと連携することで、同サイトの閲覧者は世界に8,500万人以上、ShopStyleの年間売上高は10億ドルを超えているという。Analysis Workspaceの活用により、データ分析に基づいて閲覧者の心に響くようなライフスタイルに関するデジタル体験を提供し、アートとサイエンスを絶妙に両立させるなど、コンテンツやコマースの取り組みにテクノロジーを取り入れ、大きな成功を収めているとしている。
なお、Analysis Workspaceの主な特長は、PhotoshopやIllustratorといったクリエイティブツールのように数々のツールを用いて「キャンバス」でデータを操作し、ユーザーに役立つレポートを簡単かつ迅速に作成して共有できること。ディメンション、指標、セグメントをフレキシブルなデータの「キャンバス」にドラッグ&ドロップするだけで、複雑なデータセットの操作もキュレーションされたワークスペースを共有することも直感的に行えるため、広範囲にわたるトレーニングは不要。また、各種チャートやグラフのサイズ/名前を変更したり入れ替えたりできるため、直観的なデータの可視化が可能となっている。さらに、異常値検出、貢献度分析、計算指標、コホート分析などの数々の強力なツールが搭載され、クリエイティブツールにおける同社の知見を活用することで複雑さを解消。何百ものディメンションと指標、何千ものセグメント、何百万ものデータの組み合わせを網羅するデータセットを把握できるなど、ユーザーはこれまでにない方法でデータの比較や分析ができるということだ。