ソリッドワークス・ジャパン(ソリッドワークス)は10月1日、「SOLIDWORKS 2016」の国内販売を11月2日より開始すると発表した。
「使いやすさ」を追求した機能強化
今回のリリースで節目の20周年を迎えた「SOLIDWORKS 2016」では280以上もの機能強化が図られているが、同社が特に強調するのはユーザーインターフェース(UI)の改善だ。これはベータ版の事前評価イベントに参加した日本のユーザーからも大変好評だったようで、ソリッドワークスはUIの改善よって作業効率が従来の約2倍に向上するとしている。具体的には、1つの動作後に毎回メニューに戻らなくてもマウスの近くに次のコマンドが表示されることや、階層を自由に選択できる選択階層リンク機能の搭載が作業効率の向上に大きく寄与している。ちなみに、選択階層リンク機能はソリッドワークスの親会社であるダッソー・システムズの製品群に搭載されて好評だったものを導入したかたちだ。また、4K/5Kディスプレイへ対応し、大きなディスプレイでも高解像度で表示することができるため、樹形図を俯瞰することや、PDMでのデータ検索結果を一望することが可能となった。
使いやすさの向上という点では解析ツールもパワーアップしており、例えば「接触問題に対する直接法ソルバ」では解析結果が従来から28%早く得られるという。また、CAD上で設定した情報を自動で取り込むことで、繰り返し解析を行う時に設定に費やす時間が大きく短縮されたほか、メッシュ断面表示での詳細な検証や、均一なメッシュを効率よく設定できるようになった。
SOLIDWORKSユーザーの間で需要が高まっているというPDMの強化も、事前評価で国内ユーザーから好評だった。表示速度が20倍、通知処理が400倍向上するなどのパフォーマンス面での改善に加え、インストーラーが統合されるなど、やはり使いやすさに重点をおいた機能強化が実施された。
3Dプリンタでの「印刷プレビュー」が可能に
事前評価では3Dプリンタ向け機能が強化された点も好評だったという。「SOLIDWORKS 2016」では積層解像度の確認、サポート材が必要な面の識別、テーブル上の位置・方向・スケールの検討が可能となり、3Dプリンタでの「印刷プレビュー」が実現。SOLIDWORKSは昨年版で3Dプリンタの標準ドライバに対応しており、機械系3DCADで国内シェア1位(2014年出荷数量:テクノ・システム・リサーチ調べ)の同製品において2年連続で3Dプリンタ向けの機能拡張が図られたことは製造業に3Dプリンタ技術が定着してきたことの証といえるだろう。
なお、同製品では使用できるモジュール数に応じて3段階のパッケージが用意されており、それぞれの参考価格(1ライセンスあたり、税抜)は、ベーシックなエントリーパッケージが98万5000円~、PCB連携や3D測定変換が使用できる「Professional」が118万円~、最上位パッケージ「Premium」が158万円~となっている。また、エントリーパッケージからアップデートすることで上位版の機能を利用することが可能となる。