ラリタン・ジャパンは10月1日、サーバーやルーター、スイッチ、ファイヤーウォールといったネットワーク機器、ラック用電源タップ(PDU:Power Distribution Unit)などシリアルポートを持つ製品を遠隔アクセス・制御するIPベースの次世代シリアルコンソールサーバー「Dominion SX II」の販売を開始した。価格はオープンプライス(市場想定価格は4ポートのエントリーモデルが税別で20万円台~)。

「Dominion SX II」

新製品はポート数4、8、16、32、48ポートの5種類があり、AC/DC電源、内蔵モデムオプションの違いにより全部で13モデル。各IT機器に接続してどこからでも管理・制御できるためサポートに要するコストやスタッフの移動などの時間を削減し、迅速に各種インシデントや問題を解決することでビジネスのアップタイムの向上が見込める。

また、ネットワークの障害発生時にもコマンドラインにより対象機器へのアクセスが可能でトラブルシューティングや再構成、修復/復元、リブート、電源のオン/オフをリモート実行できる。そのため、デバイスがハングアップしても新製品と同社のインテリジェントラックPDUを用いて、各デバイスの電源スイッチを切った直後に入れ直すことを可能としている。

さらに、Unix/Linuxサーバーやネットワーク機器、セキュリティアプライアンス、セルラー/モバイル移動通信機器などのリモート管理を必要とするモバイルオペレーターやデータセンター、ならびに、支店、営業所のシステムのリモート管理用に導入実績がある「Dominion SX」の後継モデルでハードウェアおよびソフトウェア設計を一新し、性能、信頼性、セキュリティや操作性を向上させた。

新製品は1Uサイズで最大48ポートを収容し、緊急時においても確実なIT機器へのアクセスを確保するため13モデルすべてに二重化AC/DC電源、自動フェイルオーバー機能付き二重化ギガビットLAN接続、ポリシーや運用方法に応じて選択可能な多様なラック前ローカルアクセス、および全モデルに内蔵モデムオプションを有する。

CPUは従来の133MHzから1GHz CPUにアップグレードし、RAMを8倍に増強、最大8GBのフラッシュストレージを搭載し、1ポートあたり最大10セッション、合計最大200のシリアルセッションのサポートが可能となった。そのほか、同時接続、接続スピード、シリアル処理を向上させたことで導入に要する時間短縮が図れる。

「Dominion SX II」の接続イメージ

加えて、FIPS 140-2および256ビットAES暗号化に対応してセキュリティレベルを高め、USBメモリーまたはTFTPサーバー経由で自動インストール/構成を可能にするなどの機能を追加。さらに、企業全体にわたる全IT機器の制御・アクセスを実現するため同社のKVM-over-IPスイッチと同様に「CommandCenter Secure Gateway」によるシングルサインオンでの統合管理ができる。なお、現状ではデータセンターや金融機関からの引き合いがあるという。