東京都・昭島市の家具の博物館は、日本の椅子文化の変遷をたどる「近代日本の椅子[I]明治・大正編」を開催する。会期は10月18日~11月23日(水曜休館)。開館時間は10:00~16:30。入場無料。

「葡萄図蒔絵小椅子」フレームに漆塗り金蒔絵で葡萄の絵柄を施した小椅子。背の形から"ダルマ椅子"などと呼ばれる。(明治時代 間口450×奥行500×高さ905×座高475mm)

「諸工職業競 テエフル椅子製造」応需年一画 (明治12年 縦353×横237mm)

同展は、同博物館所蔵の近代日本の椅子をはじめ、近代日本の椅子にかかわる絵画、書籍、図面などを展示紹介するもの。欧米の椅子を模倣することで始まった日本の椅子作りは、今ではそのデザインにおいて世界的に高い評価を受ける椅子を数多く生み出すまでに至っており、それとともに、日本人の暮らしも床座から椅子座主体の暮らしへと大きく変化してきたという歴史がある。同展では、幕末から明治・大正期にかけてどのような椅子が日本で生み出され、また忘れ去られていったか、その変遷を辿るとともに、日本人の暮らしの中で育まれてきた様々な椅子など、30点が展示されるということだ。

「旧旭川偕行社の肘掛椅子」旧陸軍第7師団の将校たちの社交場として明治35年に建てられた旧旭川偕行社で用いられていた肘掛椅子。(間口660×奥行640×高さ1305×座高515mm)

「新古典様式の肘掛椅子」大正時代初期に名古屋の「いとう呉服店」(松坂屋の前身)で製作された皇族接待用の肘掛椅子。(間口620×奥行640×高さ955×座高400mm)