ヴォーカーズは9月29日、「幸せな終身雇用型企業ランキング」を発表した。
今回の調査では、上場企業の有価証券報告書の「平均勤続年数」と同社が運営するクチコミサイト「Vorkers」に投稿された社員による会社評価スコアから、平均勤続年数が20年を超える企業の社員満足度を調査したものとなる。集計期間は2007年7月~2015年9月。
調査の結果、「幸せな終身雇用型企業ランキング」の1位は大阪ガスで、2位に出光興産、3位に日本電気硝子が続く。今回1位にランクインした大阪ガスを筆頭に、出光興産、東邦ガス、北海道電力、関西電力、コスモ石油と、エネルギー系企業がトップ20に多くランクイン。これらの企業のクチコミでは、「安定」「福利厚生の良さ」といった言葉が多く上がっており、「福利厚生の良さ」も入社理由として多く上がっていることから、「安心して長く働ける」という視点で会社選びをしている社員が多いことがうかがえる結果となった。これまでは新規参入が難しく、市場競争があまりなかったことが、安定的に長期雇用が守られてきた背景ではないかと、ヴォーカーズは分析している。
1位の大阪ガスの評価点を細かく見ると、待遇面の満足度が5点満点中4.2点と高評価で、給与に関するクチコミでも、勤続年数が長いほど給与が高くなる、安定した年功序列型であることがわかった。また、平均勤続年数は女性社員の方が男性よりも長く(女性23.0年、男性21.4年)、出産後子育てをしながらでも働き続けやすい環境が整備されていると考えられる。
トップ20の内、最も平均勤続年数が長かったのは、11位にランクインしたパナソニックの22.9年。クチコミでは、「社員を大事にする」という創業者松下幸之助の経営理念が脈々と受け継がれている様子がうかがえた。また自動車メーカーからは、日産自動車(20.6年)が18位にランクイン。
なお、同調査はVorkersへのレポート回答者数が5人以上ある上場企業1,270社を対象とし、有価証券報告書に記載されている平均勤続年数(2013年度)とレポート回答34,232件(クチコミ回答数246,387件)が対象データとなっている。