情報通信研究機構(NICT)は9月28日、プロドローン及びサンエストレーディングと共同で、ドローンの飛行制御通信の安全性を強化する技術を開発したと発表した。
ドローンの遠隔制御に使われる無線通信は、傍受や干渉、妨害の影響を受けやすく、通信の乗っ取りや情報漏えいなどが懸念されている。しかし、現状、標準的な暗号化すら行われていないケースが多く、ドローンの制御通信における情報セキュリティ対策は十分ではないという。
NICTらは、真性乱数を共通の暗号鍵としてドローンと地上局間で安全に共有。制御通信をパケットごとに暗号化することで、制御の乗っ取りや情報漏えいを完全に防御した。さらに、複数の暗号鍵をドローンに搭載し、対となる暗号鍵を複数の地上局に量子鍵配送ネットワークで配送することにより、複数の地上局間で安全に飛行制御を引き継ぎながら、ドローンを広域で飛行誘導するセキュア制御通信技術を開発した。実証実験についても成功している。
同技術を利用した、乱数生成器を地上局に導入してユーザ・機器認証を経て暗号鍵をドローンに供給し、地上局間では手渡しで鍵配送を行う飛行誘導システムは、2年後の商品化を目指すという。