日立製作所と日立オートモーティブシステムズは9月28日、電気自動車やハイブリッド電気自動車をはじめとした環境対応自動車向けにSiCパワー半導体(SiC-MOSFET)を複数並列実装した両面冷却型パワーモジュールを用いたインバータを開発したと発表した。

同インバータは、各SiCデバイスへの制御信号線の長さを均一化することで、配線の抵抗特性をそろえることに成功。これにより電力容量の拡大を実現したとするほか、両面冷却型パワーモジュールの缶状の金属製冷却フィンの中に実装する構造のインバータとすることで、冷却フィンが内蔵した配線が作りだす磁場を打ち消し、配線に蓄えられた磁場エネルギーの低減を実現したという。

これらの結果、従来製品(Si IGBT)比で電力損失を60%削減し、同体積での電力容量を約2倍に拡大することに成功したという。

なお、同社は今後も環境対応自動車向けインバータの高効率化と高出力化に向けた技術開発を進めていくとしている。

今回開発されたフルSiCインバータ

両面冷却型フルSiCモジュール

チップ並列接続構造