与信管理ASPクラウドサービスを提供するリスクモンスター(リスモン)は9月25日、オーシャナイズの協力で調査した「第1回 大学1、2年生が就職したいと思う企業・業種ランキング」の調査結果を発表した。調査の結果、大学1・2年生が就職したいと思う企業・業種は公務員が5割近くに上った。
就職したいと思う企業の1位は地方公務員(27.7%)であり、国家公務員が19.5%で2位に続き、3位は日本赤十字社(12.6%)だった。以下、日本郵便、みずほ銀行、ソニー・ミュージックエンタテインメント、三菱東京UFJ銀行、全国農業協同組合連合会(JA全農)、日本テレビ・集英社(同率)の順となった。
業種別では、公務員が1位(地方公務員)と2位(国家公務員)を占めたほか、銀行業が4社(みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ信託銀行)と最も多かった。また、放送業や出版社などのマスコミ系業種が4社(日本テレビ、集英社、フジテレビジョン、TBS)ランク入りする一方で、製造業のランク入りが6社にとどまっている点も特徴的な結果だとリスモンは述べている。
公務員と民間企業の志望度を比較すると、公務員への志望が47.2%と半数近くに上っており、大学1・2年生時点での公務員に対する人気の高さがうかがえる結果となった。
就職したい業種では、1位は公的機関・士業であり、以下、金融・法人向けサービス、メディアの順となった。男性において金融・法人向けサービスの志望が低い以外は、学年別・男女別に見てもおおむね同様の結果だった。
逆に、就職したくない業種については、1位が金融・法人向けサービス、2位が自動車・重機械、3位が小売・外食となった。
就職先の選定で気になる点については、1位は給与額であり、以下、雇用形態、離職率と続く。学年別に見ると、雇用形態・勤務地・残業時間・残業代の有無・企業の業績といった項目について、1年生よりも2年生の方が大幅に高い回答率となっており、就職について、より具体的に意識していることがうかがえると同社は分析している。
将来望む就業の形は、「やりがいのある仕事をしたい」が1位、次いで「優良企業で安定的に働きたい」「出世して高収入を得たい」と続いた。学年別では、1年生よりも2年生の方が「やりがいのある仕事をしたい」という意向が強く、「出世して高収入を得たい」という意向は弱くなる傾向が見受けられる。
今回の調査における就職したいと思う企業の上位20社を、2015年度卒業予定の学生(就職活動生)を対象に実施した「第1回 就職したい企業・業種ランキング」(3月27日発表)の上位20社と比較したところ、公務員や銀行など双方でランク入りしている企業も多く見られる半面、就職活動生では公務員が大幅に低下していたりメーカーが多く含まれていたりする一方、1・2年生のランキングではテレビ局などのマスコミ系業種が含まれる傾向が見られる。
同社では、これは就職活動生が企業研究や業界研究によって就職に対する現実味をより具体的にイメージできているのに対して、1・2年生は就職に対して大まかなイメージしか持てず、志望する企業・業種が公務員や公的性の高い会社、銀行のように安定志向が強いものやマスコミ系のように露出度が高いものに偏ってしまうためと分析している。
企業側は、自社をこの先数十年にわたって支え続けてくれる人材を獲得するために、できるだけ早いうちから、学生に対して自社の仕事の重要さ・素晴らしさ・会社としての魅力などをアピールする努力が求められると同社は提言している。
本調査は、全国の大学1・2年生の男女を対象に7月24日~8月31日にインターネットで実施したもので、有効回答数は365サンプル。