帝人ファーマは9月25日、患者情報共有システム「バイタルリンク」の販売を同月28日から開始すると発表した。価格は個別見積。

同システムは、NTTエレクトロニクスが開発した患者情報共有システムで体温や脈拍、血圧、血中酸素飽和度など在宅療養中の患者の生体情報を測定器からスマートフォンといったモバイル端末に取り込み、医師やケアマネージャーをはじめ様々な職種からなる関係者間でリアルタイムに共有するシステム。

「バイタルリンク」のシステムイメージ

同システムの主な機能は連絡帳機能(SNS機能)として服薬指導をはじめとした患者のケア情報を関係者間でリアルタイムに共有し、診察時には撮影した画像や各種帳票などの共有も可能。また、バイタル機能は体温計・血圧計・パルスオキシメータなど患者のバイタルデータを取得・共有することができる。

さらに、おくすり情報機能は患者に処方している医薬品を厚生労働省の最新のデータベースに基づいて管理。そのほか、カレンダー機能は患者のケアを関係者が計画的に実行することを可能とする。なお、同システムの販売により帝人グループでは「ヘルスケア」と「IT」の融合領域での新規ビジネスである地域包括ケア関連事業に参入する。

今後、同社は同システムを地域包括ケアの推進を検討している市区町村などの自治体や医師会といった業界団体への導入、利用推進を図っていく方針だ。将来的には同システムを通じて構築したネットワークを基盤として、新たな医療機器の提供などへ地域包括ケア関連事業の拡充を図り、2024年度には売上高100億円規模を目指す。