JapanTaxiと博報堂、博報堂DYメディアパートナーズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムの4社は9月25日、タクシー配車アプリ「全国タクシー」の次世代化に向け、広告主と乗客、タクシー会社のリアルタイムマッチング・メディア「タクシークラウド広告サービス」の実証実験を開始した。
JapanTaxiが運営する「全国タクシー」は、センターシステムをクラウド化することにより、特定のタクシー会社に依拠せず、利用可能なタクシーと乗客をリアルタイムでマッチングするプラットフォーム。2015年9月時点、全国47都道府県の約500都市、140グループのタクシー会社が保有する2万3,000台以上がサービス対象となっており、今後もさらに拡大していく予定だ。
今回の取り組みでは、乗客とタクシー会社だけでなく、広告主も含めリアルタイムでマッチングできるメディアを開発し「CM視聴クーポン」の実証実験を開始。乗客がタクシーに乗車すると、全国タクシーアプリがタクシー車内に設置されたセンサに反応し、動画広告のお知らせを受信する。広告主は、乗車時から降車時までの視聴動画広告に応じてタクシー料金の一部を負担するほか、乗客が次回以降のタクシー乗車時に使用できるクーポンを付与する仕組み。対象となるタクシーは、日本交通の黒色タクシー約1,565台となる。
同取り組みにより、広告主は、タクシーの平均乗車時間とされる約18分を動画広告の視聴機会として活用し、乗客は動画閲覧によりクーポンを取得、タクシー会社は乗客の乗車機会を拡大することができる。
なお、同メディアでは、博報堂DYホールディングス マーケティング・テクノロジー・センターが開発する屋外情報配信プラットフォームを活用。同プラットフォームは、乗車した場所や時間帯、乗車回数に応じ、配信する情報を変更するなど、屋外での情報配信に対して高い柔軟性を実現するという。
今回の実証実験においては、屋外情報配信プラットフォームの運用をデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムが担当。本格展開のためにオペレーションを確立するべく、検証も併せて実施していく予定だ。