米IBMは9月15日(現地時間)、クラウド展開の継続的拡大に向けた取り組みの一環として、ブラジルで2つ目となるIBMクラウド・データセンターを開設したと発表した。
新データセンターは計9,000台のサーバーと2.8メガワットの定格電力に対応できる能力を備え、ベア・メタル・サーバーや仮想サーバー、ストレージ、セキュリティー・サービス、ネットワーキングなど、あらゆるSoftLayerインフラストラクチャー・サービスを提供。設備の交換やメンテナンスによる運用の中断がないことを保証する、Uptime InstituteのTier III基準に準拠している。
近年、戦略的ビジネス目標をサポートするためクラウドを求める組織が増加する中で、ブラジルのクラウド・コンピューティング市場は今後2年間で2倍以上に拡大すると予想されており、米調査会社フロスト&サリバン社によると2014年に4億7,480万ドル規模だったブラジルのクラウド・コンピューティング市場が、2017年には11億1,000万ドル規模に達すると試算されている。
同社は、ブラジルの顧客にIBMクラウド・リソースへのローカル・オンランプを提供することで、データの保存やコンピューティングを国内で行うための柔軟性を高める。新データセンターは、サンパウロのオルトランジアとメキシコのケレタロにあるラテン・アメリカの2つのIBMクラウド・データセンターに加わり、グローバル規模で拡大するデータセンター・ネットワークの一部として、障害発生時の事業継続性の確保に必要なパフォーマンス・ソリューションや災害復旧ソリューションをユーザーに提供する。
また、新データセンターは同社が買収したBlue Boxのソリューションなど、OpenStackベースのソリューションをホストすることもできる。これにより、あらゆるOpenStack環境の範囲拡大が促進されるため、顧客はAIX on Power Systemsなどの強力なアーキテクチャーをサポートするインフラストラクチャー・サービスやマネージド・サービスへの接続を可能とする。その結果、オープン・スタンダードやハイブリッド・クラウド展開における顧客の柔軟性が高まり、選択肢が広がるという。
現在、SoftLayerのデータセンターの全能力は同社が大規模なグローバル・データセンターの拡大に向けて2014年に12億ドルの投資を行って以来、2倍以上に拡大。すべての主要大陸に存在するクラウド・データセンターのグローバル統合ネットワークにより、企業はリスクを最小限に抑えつつ、必要に応じて自社のITリソースの拡大縮小や増強を行うことが可能。
また、開発者は、IBMのPaaSオファリングであるBluemixと組み合わせることで、世界のどこからでも完全な実稼働環境で新しいアプリケーションの開発やテストを容易に進めることができるほか、コグニティブ・コンピューティング・サービスを提供するWatsonなどの社内リソースやさまざまなサード・パーティ・サービスへのアクセスも可能としている。