J.D.パワー アジア・パシフィックは9月14日、2015年日本クラウドサービス提供事業者顧客満足度調査(通信事業者編)の結果を発表した。

同調査は、通信事業者が提供・販売する法人向けのクラウドサービス(ホスティングサービス含む)に対する顧客満足度を調べるもので、今年初めて実施された。

全国の従業員規模50名以上の企業を対象に7月に郵送調査を行い、通信事業者提供のクラウドサービスを利用している741社から回答を得た。同調査では1回答社から最大2つの事業者の評価を得ており、評価件数は838件となっている。

クラウドサービス選定理由の上位3項目は「価格・見積金額が妥当」(52%)、「信頼できる・有名な会社なので」(35%)、「提案内容が優れていた」(22%)となった。

2番目に多かった「信頼」を選定理由に挙げる企業の割合は、同社で実施している他のIT・通信関連サービスの調査と比べても多かったという。サービスの持続性や安全性も念頭に置いているためか、事業者に対する信頼感もクラウドサービス選定においてはより重要な要素となっていると分析している。

顧客満足度の測定にあたっては、6つのファクター「導入・構築対応」「システム品質」「障害・トラブル対応」「コスト」「営業対応」「サービス提供体制」を設定し、各ファクターの総合満足度に対する影響度をもとに、総合満足度スコアを算出している(1000ポイント満点)。

これら6つのファクターに関する計19個の詳細項目別評価を聴取したところ、最も評価が低かったのは営業対応領域における「導入したクラウドサービスに対するフォローアップ」となった。

従業員数100人未満や100~299人といった中小規模企業における評価の低さが目立っており、サービス提供事業者には導入時のフォローに加え、導入後にも適切なフォローアップが行える営業体制が望まれるようだ。

総合満足度ランキングは、ランキング対象となった3社中、ソフトバンクが第1位(総合満足度スコアは637ポイント)となった。ファクター別の評価では「導入・構築対応」「システム品質」「営業対応」「サービス提供体制」の4つのファクターにおいて他社を上回るトップスコアを得ている。第2位はKDDI(616ポイント)、第3位はNTTコミュニケーションズ(603ポイント)となった。