IDC Japanは9月10日に、2015年第2四半期(4~6月)の世界HCP(Hardcopy Peripheral:ハードコピーペリフェラル[プリンタ/複合機/コピー機など])市場における出荷実績を発表した。調査結果によると、出荷台数では前年同期比5.9%減の2,410万台、出荷額では同3.4%減の132億ドルとなった。
出荷台数・出荷額とも減少した結果となったが、同社によると明るい動向があるという。
米国とカナダでは、回復基調の経済を反映して出荷台数が前年同期比でそれぞれ3.6%、5.8%の成長を遂げている。また、ハイエンド機器が目覚ましい成長を見せ、とりわけ45ppm(1分あたりの印刷ページ数)以上の製品は2桁成長を達成したという。
エプソンは、前四半期に続きインクジェットにおいて成功しており、同社の成長のほとんどは米国および、日本を除くアジア太平洋地域での実績による結果に。HPは米国において前年同期比4.5%の成長を達成。キヤノンは全ての先進国地域で好調であり、特に西欧では前年同期比12.2%の成長を見せたという。
製品分野別に見ると、インクジェットとレーザーの対比では、インクジェットは依然として出荷台数の過半数(58.7%)を占めているが、全ての分野が縮小している中で、カラー・レーザーの減少は最も小幅だったとのこと。
単機能プリンタと複合機では、単機能プリンタ市場は前年同期比12.6%の縮小、複合機の出荷台数も2.9%の減少という結果に。しかし、複合機のうちカラー・レーザー複合機はいずれの速度帯においても好調で、特に31~44ppmでは前年同期比12.6%の成長を遂げている。
モノクロとカラーでは、カラー機器の市場全体に占める割合は前年同期より2.9%減少し20.7%という結果となった。また、モノクロ・レーザー機器は前年同期比12.1%の減少。カラーにおける最も堅調な速度帯は11~20ppm(構成比32.3%)で、Color LaserJet Pro M277複合機シリーズを擁するHPが特に好調だったという。
IDC Japanは、全体的に高速プリントへのシフトが加速していると指摘する。45~69ppmのモノクロ・レーザー複合機は、製品分野別では最高の前年同期比成長率となる17.3%を達成し、45~69ppmモノクロ・レーザー・プリンタ(同3.0%)がこれに続いた。45~69ppmモノクロ・レーザーの大幅な成長に貢献したのは、LexmarkのMX611シリーズだったとのこと。カラー複合機市場では、70~90ppmの製品で前年同期比72.9%と大幅な増加傾向が見られ、31~44ppm(同12.6%)、45~69ppm(同12.1%)がこれに続く。
中速プリント速度市場は、今四半期は伸び悩んだという。A4複合機では31~69ppmモノクロ・レーザーの構成比が過去5四半期で初めて低下、同速度帯でのモノクロ・レーザーA4/A3複合機市場全体において、76.9%の台数構成比となったという。