STMicroelectronicsは、トレンチゲート構造を採用した同社の低耐圧MOSFETシリーズ「STripFET F7」として、新たに60V耐圧パワーMOSFETを発表した。

同シリーズは、トレンチゲート構造の簡略化により、導通効率とスイッチング性能を改善しており、オン抵抗、容量およびゲート電荷を低く抑えるとともに、高い性能指数を実現した低耐圧MOSFET。ボディ・ダイオードの逆回復電荷が小さいため、スイッチングが高速化されているほか、高いアバランシェ耐性により、厳しい動作条件下での堅牢性を確保しているほか、帰還容量対入力容量比を低く抑えることでEMI耐性も向上させている。

新製品となる60V耐圧パワーMOSFETは同期整流向けに最適化されており、必要とされる最大電流に応じて、並列接続する製品数を減らすことができるため、電力密度の向上と部品点数の削減を可能とする。12品種で構成されており、最大電流は90Aから260Aまでとなっているほか、パッケージもPowerFLAT 5×6、PowerFLAT 3.3×3.3、DPAK、D2PAK、TO-220、TO-220FP、および2リードまたは6リードのH2PAKと幅広く提供される。

なお、すでに全品種が量産出荷を開始しており、1000個購入時の単価は例えば、90AのPowerFLAT 5×6パッケージ品である「STL90N6F7」で約0.98ドルとしている。

「STripFET F7シリーズ」に新たに加わった60V耐圧パワーMOSFETのイメージ