日本ティーマックスソフトは9月10日、メインフレーム(汎用機)で使用されていたプログラムをオープン環境へ移行できるリホスト・ソリューションの最新版「Tmax OpenFrame 7.0」の提供を、10月より順次開始すると発表した。価格は、最小構成の場合で1,300万円(税別)~。同社では年間12億円の売上を目指している。
「OpenFrame」は、メインフレームの環境で運用されている業務やサービスを再開発することなく、オープンプラットフォーム上へ移行し、運用することを可能にするソリューション。COBOL、PL/I、JCL(ジョブ処理言語)、データ、画面などの資産移行をサポートする。対応OSは、IBM AIX 7.1、HP-UX 11iv3、Solaris 11、Red Hat Enterprise Linux 7。
「Tmax OpenFrame 7.0」の主な新機能は、3層アーキテクチャの採用、移行の自動化を実現、オンライン自動テスト機能の提供、独自コンパイラーの提供の4つ。
3層アーキテクチャの採用では、標準的な次世代システム基盤となる「3 層アーキテクチャ」を採用し、UIとAP(アプリケーション)、DBを分離し、クラウド対応のミドルウェア・プラットフォームを提供することで、システムの柔軟性と拡張性を実現し、次世代基盤への移行を促進する。
移行の自動化では、自動分析機能「OFMiner(オーエフマイナー)」の提供により、効率的な資産統合管理環境を実現。またOFMinerでは、自社コンパイラー技術を活用した自動セマンティック変換(ホスト資産をOpen 環境へ移行する際、非互換項目を解決する変換)を実現し、プロジェクト期間の短縮および、移行の利便性を高めるという。
同社 代表取締役社長 佐藤成徳氏はOFMinerについて、「移行におけるアセスメントは、リポジトリの管理、ソフトウェアの不足資産の検出、非互換部分の洗い出しなど手間のかかる作業ですが、これをできる限り自動化するものです。また、非互換の部分の変換も行います」と説明した。
オンライン自動テスト機能では、「OFTest(オーエフテスト)」を提供し、テスト対象資産に対応したテスト項目やシナリオの作成を支援する。また、自動的に実行されるシナリオの結果画面を期待値と繰り返し比較することで、上記OFMiner と合わせ、全体で従来のマイグレーション工数の約3割を削減するという。
独自のコンパイラーの提供では、独自のCOBOL、PL/I の各コンパイラー、およびホストASSEMBLER(アセンブラ)を処理するOFASMを提供する。
独自のコンパイラーの提供について佐藤氏は、「メインフレームからオープンなシステムに移行する上では、アセンブラが大きな障害になっているケースがあり、今回の新機能で速やかに移行できます」と語った。
なお、佐藤氏は今年の7月に同社社長に就任したばかりだが、当面、注力していく点については、「ティーマックスソフトは、韓国では知らない人がいないほど有名ですが、日本ではまだまだ知られていないため、社の知名度をどう上げていくかが課題です。OpenFrameはこれまでさまざまな実績を積み上げてきていますので、それを踏まえて国内でも提案していきたいと思います」と述べた。
また、メインフレームから移行ツール市場は今後収束していくことが考えられるが、それに代わる新たなビジネスについて同氏は、「今後はビッグデータ系で軸足をつくっていこうと思います。この分野ではHadoopが注目されていますが、DB系のデータも必要になります。そのため、データが大容量になってもパフォーマンスが落ちないDBが求められてきます。このあたりは韓国で実績がありますので、この点を国内で訴求していきたいと思います」と語った。