NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は9月9日、米国においてデータセンター関連サービスを提供するグループ会社のRagingWire Data Centers(略称:RagingWire社)を通じて、約170億円を投じ「テキサス ダラス 1(TX1) データセンター」の建設を開始すると発表した。
同データセンターは、米国テキサス州ダラス・フォートワース都市圏のガーランド市に取得した約17万平方メートルの敷地において最大5棟のデータセンター(25,000ラック相当)を展開予定で、第1棟目(サーバールーム面積約11,400平方メートル、5,000ラック相当)を2016年9月以降に提供開始する。
同データセンターは、Nexcenterが定める300項目以上のグローバル統一設備・運用基準に準拠し、電力・空調・通信設備の冗長化やテロにも強い充実したセキュリティをはじめ、電力供給100%を保証したSLA(サービスレベル保証)を備えたサービスを提供する。
また、最大20kW/ラックの高密度電力供給、空調設備や通信回線引き込みの冗長化に加え、RagingWire社が特許取得済の2N+2アーキテクチャにより設備メンテナンス時においても完全冗長性を保ちつつ、電力供給を可能とするシステムなど万全な設備運用の体制と併せてTier IVレベル以上の可用性を提供する。
RagingWire社は、電気設備、空調設備や通信設備などの構築・運用を自社で対応可能なライセンスを保有し、専門の主任技術者を多数擁していることから高品質な設備を低コストで顧客に提供することが可能という。
さらに、RagingWire社が開発したデータセンター設備管理システムであるN-Matrixを導入し、電力使用状況の監視や設備の冷却を自動管理するなど効率的な設備管理を実施する。加えて、電気空調コストを低減する外気冷房システムの導入、米国環境保護庁(EPA)が定める「ENERGY STAR」認定を受けた設備の採用などにより、低コスト運用を実現するとともに米国グリーンビルディング協議会の「LEED」認証に対応した環境に配慮したデータセンターとして位置づける。
さらに、クレジットカード業界のグローバルセキュリティ基準である「PCI DSS」、米国連邦情報セキュリティマネジメント法に基づく情報保護ガイドライン「FISMA」などに準拠し、SSAE16/ISAE3402による内部統制に関する有効性証明書の取得を予定している。そのほか、オンサイトスタッフによる各種マネージドサービスやリモートハンドサービスなど、安全かつ柔軟な運用サービスを提供。敷地内には、BCPオフィスとして利用が可能なレンタルオフィスのほか、会議室、各種アメニティ施設も備える。
NTT Comは、米国において10拠点のデータセンターを提供中でRagingWire社は東海岸のバージニア州アッシュバーンに1拠点、西海岸のカリフォルニア州サクラメントに3拠点のデータセンターを展開。また、2015年4月には「カリフォルニア サクラメント 3(CA3) データセンター」を提供開始しているほか、2016年2月の提供開始に向けて「バージニア アッシュバーン 2(VA2) データセンター」を建設中だ。
今回のデータセンターの第1棟目建設により、NTT Comグループが米国で提供するデータセンターのサーバールーム総面積(提供予定含む)を約65,600平方メートルに引き上げるほか、全5棟完成時にはRagingWire社の北米におけるデータセンター供給能力は約2倍に拡大する。