アドビ システムズは、同社のコーポレート・コミュニケーションブログ「Adobe Japan Corporate Communications Blog」にて、同社が実施したモバイル向けWebサイトに関する調査において、日本を含むAPACでは、Webサイトのスマートフォン最適化が米国よりも進んでおり、中でも日本と韓国が他国をリードしていることが明らかになったと発表した。
同社が今回発表した調査結果は、 2013年と2014年の日本、オーストラリア・ニュージーランド、東南アジア(シンガポール、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、ブルネイ、マレーシア)、インド、韓国、香港、中国、米国の3,000を超えるWebサイトから集約した、1億回を超える訪問の匿名データを詳細に分析したもの。その結果、日本を含むAPACでは、スマートフォンに対応したモバイル向けWebサイトの最適化が米国よりも進んでいることが明らかになり、特に、日本と韓国はその傾向が顕著に表れている。各国のスマートフォン経由によるWebサイトへの訪問回数は昨年よりも向上しており、顧客とのやり取りとエンゲージメントのための効果的なプラットフォームとして、モバイルを中心に据えたビジネス変革が進んでいることを示す結果となった。
また、平均的なWebサイトとトップレベルのWebサイト間で、スマートフォン経由による訪問回数の差が最も大きい国も日本と韓国だということだが、タブレット経由のWebサイトへの訪問においては、各国とも平均的なWebサイトとトップレベルのWebサイト間での差が広がっている。このほか、平均的なWebサイトでコンバージョン(訪問者が会員や顧客へ転換すること)が高い国は、インド(5%)、日本(3.3%)、オーストラリア・ニュージーランド(3.0%)だった。トップレベルのWebサイトでコンバージョン率が高い国は、日本(5.0%)、オーストラリア・ニュージーランド(5.0%)、米国(4.4%)で、日本は全体的にコンバージョンが高いという結果となった。また、クリックスルーレート(広告がクリックされた割合)が最も高い国は、オーストラリア・ニュージーランドだった(平均的なWebサイトで5%、トップレベルのWebサイトで6.5%)。反対に、クリックスルーレートが最も低い国は、日本だということだ(平均的なWebサイトで1.2%、トップレベルのWebサイトで2.0%)。
今回の調査を行ったAdobe Digital Indexのディレクター、タマラ ギャフニー(Tamara Gaffney)は、「日本を含むAPACで最も優れたデジタルマーケターは、いくつかの主要評価指標において優れた成果を挙げています。トップレベルのWebサイトと平均的なWebサイトの間ではスマートフォンとタブレットによる訪問回数の差が拡大しているだけでなく、スティックレート(1ページ以上続く訪問の割合)の差もそれと共に拡大し、モバイル対応と消費者エンゲージメントの間に直接的な相関があることが示されています。モバイルへの最適化はもはや必要か否かという問題ではなく、モバイル展開のスキルに劣る企業は極めて不利な状態に置かれることになります」と述べている。
なお、今回の調査の全レポートはpdfにて閲覧することができる。