内閣府は9月3日、「マイナンバー(社会保障・税番号)制度に関する世論調査」の結果を発表した。

調査対象は、全国20歳以上の日本国籍を有する3000人で、うち有効回収数は1773人となっている。

まず、マイナンバー制度を知っているかについて聞いたところ、「内容まで知っていた」は43.5%(今年1月調査では28.3%)、「内容は知らなかったが、言葉は聞いたことがある」は46.8%(同43.0%)、「知らなかった」は9.8%(同28.6%)という回答が得られた。

半年前の調査と比較して、マイナンバー制度に対する認知度が上がっていることが明らかになった。

マイナンバー制度における個人情報の取り扱いについて最も不安に思うことを聞いたところ、「国により個人情報が一元管理され、監視、監督されるおそれがあること」は14.4%(同18.2%)、「個人情報が漏洩することによりプライバシーが侵害されるおそれがあること」は34.5%(同32.6%)、「マイナンバーや個人情報の不正利用により、被害にあうおそれがあること」は38.0%(32.3%)という回答が得られた。

昨今、個人情報の漏洩事件が多発しているせいか、不正利用に対する懸念が高まっているようだ。

個人番号カードについては、「運転免許証やパスポートのように公的な身分証明書として使用できること」を知っていた人が38.5%、「マイナンバーの提示が必要なさまざまな手続きで、個人番号カードがないと複数の書類の提示が求められるが、個人番号カードがあれば1枚で手続きが済むこと」を知っていた人が32.1%、「印鑑登録証や図書館カード、健康保険証など複数の機能を1枚のカードに持たせることができるようになること」を知っていた人が22.7%、「コンビニなどで住民票,印鑑登録証明書などの公的な証明書を取得できること」を知っていた人が22.7%、「知っていたことはない」と回答した人が41.3%となった。

続けて、個人番号カードの取得の希望について聞いたところ、「希望する」が24.3%、「希望しない」が25.8%、「現時点では未定」が47.3%という回答が得られた。

また、法人番号については、「内容まで知っていた」が9.8%、「内容は知らなかったが,法人番号という言葉は聞いたことがある」が13.8%、「知らなかった」が76.4%と、知らない人が圧倒的に多かった。

マイナンバー制度に対して期待することとして、「社会保障、税、災害対策に関する行政事務で添付書類が減るなど、手続きが簡単になる」「個人番号カード1枚で、健康保険証など複数の機能を持たせることができるようになる」「社会保障の不正受給や税の不正還付を防ぐことができるようになる」など、7つの項目について聞いたところ、すべての項目の回答率が今年1月の調査よりも下回った。「特に期待することはない」についても、23.3%から31.2%に増えている。