東京都・千代田区のアートスペース「アーツ千代田3331」内のギャラリー「Bambinart Gallery」では、美術家・三田村光土里氏の個展「DRIFT」が開催される。会期は9月5日~20日(月曜・火曜は休廊)。開場時間は12:00~19:00。入場無料。
同展は、さまざまな素材を用いたインスタレーション作品を国内外で発表している美術家・三田村光土里(みたむらみどり)氏の個展。自身の経験や記憶、追憶をモチーフに、写真や映像、オブジェクトが物語の挿絵のように配置されたインスタレーション作品は、彼女自らが「人が足を踏み入れられる三次元のドラマ」と称している。
また、三田村氏は同展の開催に関して「DRIFT(ドリフト)とは、流れにまかせて漂うとか、それによって堆積するものという意味です。私が写真を撮るのは、画(え)を意識したときだけで、思い出のためにカメラを構えることは、実はあまりありません。それでも撮り溜めた写真の中には、なんのてらいもなくシャッターを押した、普段は目にとまることのない写真が眺められます。そこでは、意味に縛られない、素朴な自分の視点と思いを観ることができます。最近は、そうした、つかみどころのない写真のしなやかさと、用途や機能がよくわからない道具の存在感に強く惹かれます。こうして記憶のどこかから目の前に漂着した写真たちと、使い道のないモノたちをゆるやかに組み合わせ、どこか奇妙な表情を帯びたオブジェクトが生みだされます。それらもやはり意味を持たず、ただ流れに身を任せて遊ぶように存在しています。」とコメントしている。
なお、三田村光土里氏は1964年、愛知県生まれ。南山短期大学人間関係学科、名古屋ファッション専門学校卒業。現代写真研究所基礎科修了。1993年よりアーティスト活動を開始し、1994年、東京にて初個展「A Cross July」を開催。2005年、文化庁海外派遣芸術家としてフィンランドのヘルシンキに1年間滞在。2006年には、ウィーン分離派館ゼセッション(オーストリア)において個展を開催したほか、国内外でインスタレーションを中心とした発表を重ねる。