ルネサス エレクトロニクスは9月2日、産業機器向け国際規格「IEC61508」に代表される機能安全に対応したセーフティパッケージ「RX111セーフティパッケージ」を発表した。
RX111セーフティパッケージは、同社の産業機器向けセーフティパッケージとしては第2弾に位置づけられるもので(第1弾はモーション監視やネットワークといった高速データ処理が求められる産業機器に向け「RX631、RX63Nセーフティパッケージ」として2014年8月より提供)、自動車分野で培った機能安全規格に関する知識・経験と、マイコンの設計開発力を生かすことで、産業システムの状態監視の重要性の増大に伴って需要が高まりつつあるセンサ機器や、ドライブ制御、機械的安全スイッチの電子化対応などの応用に適した低消費電力マイコンに対応するものとしている。
具体的には、最大32MHz、1.8~3.3V動作が可能で、通常動作時0.1mA/MHz、低消費電力モード時0.35μAを実現した32ビットマイコン「RX111グループ」の故障分析・診断手法・診断率検討などのセーフティ分析を行う自己診断ソフトウェアと、機能安全認証に必要な情報をまとめたセーフティ・マニュアルから構成されており、機能安全の国際規格である「IEC61508 SIL3」の認証も取得済みのため、自己診断ソフトウェア・ライブラリに対し、IEC61508規格が求めるソフトウェア開発プロセスへの適合性の確認を省略することも可能となっている。
なおRX111セーフティパッケージは即日発売を開始しているほか、RX111マイコン搭載評価ボードと、自己診断ソフトウェアをセットにした「RX111セーフティパッケージ (評価版)」も併せて提供を開始しており、診断ソフトウェアの性能評価を手軽に体験することが可能。加えて、IARシステムズの評価版IEC61508認証取得済み開発環境「IAR Embedded Workbench for RX 機能安全バージョン」を同社のWebサイトよりダウンロードすることでシステムの初期検討までの実施も可能だという。