「フリーランス」というワードを聞くと、「自由でカッコいい」といったイメージがあるかもしれない。だが、選択肢として現実的に考えている人は、その目的や分野が何であれ、ある程度、いや、かなりの覚悟が必要ということはそれとなく感じていることだろう。

Incが、「フリーランスの9の誤解と現実(原題:The 9 Realities of Working for Yourself)」としてフリーランスの辛く、いたって当然の現実を明かしている。

自宅なのでパジャマのまま働くことができる

着替える必要がない、いや、女性なら化粧かもしれないが、それらが必要ない……という話ではない。その時間がないのだ!

仕事が集中する"かき入れどき"には、外出はおろか、お風呂にも入らず、もさもさの頭で仕事しなければならない。これがフリーランスの現実だ。

上司がいないからストレスがない

フリーランスは、当然上司が存在しない。だが、仕事をくれるクライアントが"上司"のようなもの。この人たちから仕事(=収入)をもらうため、頭を下げて、時にゴマをすり、気に入ってもらう必要がある。

確かにイヤな上司はいない。だが、ミスを指摘してくれたり、失敗から守ってくれる上司もいないのだ。

時間が自由に使える

サラリーマンのように9時になったらオフィスへ行き、就業時間が終わるまで会社にいる必要はない。平日に映画に行くことも出来るし、お気に入りのカフェでゆっくり読書もできる。休みを気にすることなく、旅行だってできる。

だが、フリーランスが働いていないということは、お金を儲けていないことを意味する。暇すぎると収入は大丈夫かと心配した方が良いタイミングかもしれない。

働いた分は全部自分の収入

サラリーマンの場合、大型案件を成立させたり、より良い業績を上げたとしても、給料は急には上がらない。

だが、フリーランスなら、働いた分だけ自分のものになる。確かにその通りだが、様々な税金や国民年金・保険はもちろん、仕事に必要なスマートフォンやPC、スキャナー、ソフトウェア、交通費など、全てその中から払わなければならない。ペン1本でさえ自分の財布からだ。

手元に残るお金は意外と少ない……かもしれない。

好きな仕事で生きていける

得意なことや好きなことで独立するのだから、嫌な仕事はしなくて良いと思うかもしれないが、仕事するための設備を整える役割も自分でやらねばならず、営業も自分が唯一の人手になる。

フリーランスは純粋に仕事だけをやっているのではなく、諸手続きや雑用も(外注するにしても)結構多いのだ。

出無精、人付き合いが苦手な人向け

人付き合いが苦手、上司が嫌だからフリーランスになろうという動機なら、ちょっと考え直した方がよいかもしれない。

当然ながら、クライアントとの付き合いなしに仕事はもらえない。ある面では、雇用されているサラリーマンよりも外交的であることが要求されるのだ。