ウェアラブル端末が計測する自身の活動量や脈拍データ、遺伝子検査で明らかになる病気リスクや潜在能力レベル、スマートフォンに蓄積される行動ログ・データなど、自分の身体状態に関する大量のデータ「マイビッグデータ」を共有できる相手は「いない」と回答した割合が過半数に上るという実態が、博報堂生活総合研究所が実施した「自分情報に関する意識調査 (第2回)」で浮かび上がった。

「自分のことを包み隠さず共有できる存在はいるのか」資料 : 博報堂生活総合研究所「マイビッグデータに関する意識調査レポート (第2回)」

同調査は、ウェアラブル端末や遺伝子検査などの発展・浸透によって飛躍的に増加が見込まれる、これまで知ることができなかった自分自身の情報(マイビッグデータ)に対する生活者の意識について調査・分析したもの。2015年5月に、首都圏・名古屋圏・阪神地区における20~69歳までの男女各500人の計1,500人を対象に実施した。

これによると、「自分のことをすべて包み隠さず話したり共有できたりする存在」として、「異性 (恋人や配偶者)(17.9%)」が最も多く挙がり、「親 (4.7%)」との回答を大きく引き離す結果に。

加えて、全体の53.8%と過半数が「そのような存在はいない」と回答し、「パートナーといえども、自分を包み隠さず共有できるほどの信頼関係を築くのは難しいようだ」と同社は分析する。

また、自分のプライベートな情報に関する管理意識に関して、69.0%が「特に必要な場合以外は、自分のプライベートな情報はできるだけ秘密にしておきたい」と回答。これらの結果から、「生活者のマイビッグデータに対する高いプライバシー意識がうかがえる」と同社はいう。

「もっとよく知りたい存在」資料 : 博報堂生活総合研究所「マイビッグデータに関する意識調査レポート (第2回)」

一方、「もっと○○の心が分かればいいのに」と思う存在について伺ったところ、最も多かったのは「異性 (恋人・配偶者)(19.3%)」となったほか、ほぼ同率で「ペット(18.2%)」も多い結果に。回答者の性別で見ると、女性では「ペット(22.4%)」が「異性(恋人・配偶者)(18.3%)」を抜いて1位となっている。パートナーのいる既婚女性に絞っても同様の傾向があった。「言葉を喋ることができないために、ペットのココロが分かればという欲求が強くなるのかも知れない」と同社は見ている。