コクヨグループのコクヨS&Tとセンタンは8月26日、タブレット端末によるメモ書きに比べ、紙ノートへの書く行為のほうが脳への負荷が低いことを示唆した共同研究の結果を発表した。
同研究は、紙ノートとタブレット端末への書く行為が、学習と内容の理解に及ぼす影響について調べ、その違いを明らかにする目的で実施されたもの。
調査対象はスマートフォンとPCの使用歴がある高校生12名(男性3名、女性9名、全員16歳)で、参加者に数分程度の朗読文を呈示し、紙ノート、タブレット端末いずれかにメモ書きとノートのまとめを行ってもらった。
メモ書き中とノートまとめ中の脳波を測定し、デバイスが学習に及ぼす影響を検討するため、作業に対する認知負荷や集中の程度を反映するとされるシータ帯域パワーに注目。
学習後に記憶テストと理解度テストを実施し、タブレット端末で学習した場合と、紙ノートで学習した場合とで成績の比較を実施した。
最後に、メモ書きに向けられる注意の程度を比較するために、学習音声を聞いてメモ書きをしながら、それとは関係しないプローブ音に反応させる二重課題を実施し反応時間を計測した。
研究結果として、タブレット端末では紙ノートに比べて書き取り中の前頭部シータ帯域パワーが高く、書いた文字を確認するために書く行為そのものに注意を奪われやすい傾向が見受けられた。
これより、タブレット端末の方が脳への負荷が高いことを示しているとしている。一方で、タブレット端末は、紙ノートでは難しい、手軽に大量の情報を検索・収集が行え、映像として見ることができるほか、編集や共有が可能などの特徴を持つ。
したがって、学習の場面では、紙ノートとタブレット端末を使い分けることが重要であることが考えるとしている。