東京都・丸の内の三菱一号館美術館は、ヨーロッパ史を彩った巨匠たちの作品群が一堂に会する「プラド美術館展 ―スペイン宮廷 美への情熱」を開催する。会期は10月10日~2016年1月31日(月曜・12月31日・1月1日休館、ただし祝日の場合、12月28日・1月25日は開館)。開館時間は10:00~18:00(金曜および会期最終の平日は20:00まで)。入館料は一般1,700円、高校・大学生1,000円、小中学生無料。

エル・グレコ《受胎告知》1570-72年 油彩・板 26.7×20cm プラド美術館蔵 (c)Archivo Fotográfico, Museo Nacional del Prado. Madrid.

ディエゴ・ベラスケス《ローマ、ヴィラ・メディチの庭園》1629-30年 プラド美術館蔵 (c)Archivo Fotográfico, Museo Nacional del Prado. Madrid.

アントン・ラファエル・メングス《マリア・ルイサ・デ・パルマ》1765年 プラド美術館蔵 (c)Archivo Fotográfico, Museo Nacional del Prado. Madrid.

同展は、スペインのプラド美術館のコレクションの中から、スペイン3大画家ともいわれるエル・グレコ、ベラスケス、ゴヤを始め、フランドルの巨匠ボスやルーベンス、「スペインのラファエロ」とも称されるムリーリョなど、ヨーロッパ史を彩った名だたる巨匠たちの作品群が一堂に会するもの。1819年に王立美術館として開館したプラド美術館は、歴代国王の美術への情熱と嗜好が色濃く反映された作品群を中核とし、世界でも類い稀な個性を持つコレクションとして知られており、同展は2013年にプラド美術館で開催され好評を博した展覧会"Captive Beauty. Fra Angelico to Fortuny"を、三菱一号館美術館のために特別に再構成したものとなる。

ヒエロニムス・ボス《愚者の石の除去》1500-10年頃 油彩・板 48.5×34.5cm (c)Archivo Fotográfico, Museo Nacional del Prado. Madrid.

フアン・バン・デル・アメン《スモモとサワーチェリーの載った皿》1631年頃 油彩・カンヴァス 20×28cm プラド美術館蔵 (c)Archivo Fotográfico, Museo Nacional del Prado. Madrid.

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ《ロザリオの聖母》1650-55年 油彩・カンヴァス 166×112cm プラド美術館蔵 (c)Archivo Fotográfico, Museo Nacional del Prado. Madrid.

なお、同展展示作品の美術様式は、スペイン、フランドル、イタリア、オランダ、フランスの5つの国と地方にまたがり、時代は15~19世紀の5世紀に渡る。作品保護の為に輸送と公開が厳しく制限される板絵35点や、世界で20点しか存在しないボスの日本初公開の真筆なども含まれる。また、展示作品には比較的小さな作品が選ばれており、巨匠たちの生の筆跡、緻密な表現、繊細な質感や多種多様な素材を鑑賞することができるということだ。